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 今日の医学の発展の影に、狂気と犠牲が多分にあったことは否めない。残念ながら、人道にほど遠い“医学実験”が繰り返されてきたことは、歴史をひもとけば明らかだ。


■許可された「犬の蘇生実験」

 そんな医学界のダークサイドで、燦然と輝く男がロバート・コーニッシュではないだろうか。彼は不本意ながらもマッドサイエンティストの名をほしいままにした実在する医師だ。わずか18歳でUCバークレーを卒業、その後博士号を取得した俊才だったという。そのため、彼の発案した「犬の蘇生実験」について、大学側も面食らいはしたものの、許可を出すことになったらしい。

 1934年3月、コーニッシュ博士の研究室は、異様な空気に満ちていた。窒息死させたばかりのフォックス・テリアが、シーソーの上にくくりつけられてあった。イエスにより復活した男にちなんで名づけられた「ラザロ4世」だ。

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画像は「YouTube」より

 ギィーッ、ギィーッ――。血流を保つため、シーソーが耳障りにきしむ中、アドレナリン注射後、酸素を腔内へ吹き込む……、ラザロ4世は息を吹き返した! しかも、それまでのラザロ1世~3世は蘇らなかったため、これが初めての実験成功になったのだった。

 だが、この世紀の実験に一般市民は嫌悪した。博士はその後、カリフォルニア大学を追われ、自宅にこもって実験を再開しなければならなくなったという。進退窮まったように見えたが、彼の狂気に目をつけたものがいた。

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画像は「YouTube」より

 映画会社「ユニバーサル・スタジオ」だ。同年に制作、翌年公開された「Life Returns」は、明らかにB級ホラーではあったが、劇中でラザロ4世の蘇生シーンを使っていたため、皮肉なことに、彼の研究を記録した唯一の、現存する映像となっている。とはいえ、社会的には、博士に対する風当たりはますます強くなっていったようだ。

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