【奇祭】半裸の20人が一斉にずっこける!! 「神ころばしと七十五膳」

■アレレ? 転ぶ瞬間

 そして、いよいよ待望の転ぶ瞬間がやってきた!

 まず登場したのは、むしろに包まれた男。これまで、男たちはお膳を運んでいたが、今度はこの男性をみんなで運んでいく。そして、立ち止まると半裸の人々は、むしろの男を「ゴローン」と地面に寝かせた。

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 ……あれ?

 これじゃ、「転ぶ」じゃなくて「横たえる」じゃないか! 僕が戸惑いを感じていると、再び、むしろの男を「ごろーん」。何人かがこの「転ばされ役」を行い、2枚のむしろとゴザを神様に届けた。……ヌルい、ヌルすぎる!! 「神ころばし」ではなくて「神横たえ」じゃないか! なお、むしろに包まれる人は、資料によれば「古参の者や心願のある者」ということだったはずなのに、男たちが控えている場所からは「じゃんけんぽん!」という掛け声が聞こえてきた……。

 しかし、本番はこれからだ!

 そう、まだ人々は「一斉に」転んでいない。この後に、本日のメインとなる姿を見ることができるのだ。

 むしろに続いて登場したのは、3mはあろうかという長い青竹。真ん中にはワラでつくった瓶のようなものがぶら下げられており、これで神様にお酒を運ぶという意味を持っている。またしても、男たちは、みんなでこの青竹を抱え、境内をグルグルしながら神様に向けて酒を運んでいく。

 そして、その時はやってきた。そう、男たちが一斉に転ぶ瞬間だ!

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「(全員で)ごろーん」

 ……転んでない。

 転ぶというよりも「倒れこむ」という動作に近い。想像していた一斉に「ドサッ」と転ぶ豪快なものではなく、まるで、休日のお父さんのようなだらだらした動作なのだ……。

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 だが、このお祭りは決して転ぶことが目的ではない。神の庭である神社境内の地面に身体を横たえることで、神の霊気を身体の中に取り入れることがこの儀式の一番の目的となる。だから、吉本新喜劇のように激しく転ぶ必要はないのだ。わざわざ静岡まで足を運んだ身としては、どこか不完全燃焼な気分になるが、そういう事情ならやむを得ない。だって、この祭りは908年から行われてるのだ。1,100年もの長きにわたり受け継がれていた。
(文・写真・動画=萩原雄太/劇団「かもめマシーン」)

■「神ころばし」と「七十五膳」
日時:2014年9月12日〜2014年9月14日 12日 前夜祭/14日 神ころばし・七十五膳 ※大祭は3年に1度
場所:静岡県藤枝市 若宮八幡宮
ルート:JR焼津駅からバス焼津岡部線で20分 岡部役場前バス停から徒歩で2分

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