北海道/尻別川支流で釣れたアメマス
――危険な思いをしたことは?
真野 僕自身は低い崖を滑り落ちたことくらいしかないんですけど、つり人社の雑誌に寄稿して頂いている筆者の方々は危険な体験をされているようです。以前、「渓流」の写真を撮っているカメラマンの津留崎健さんと僕とで、同行取材をしていた際にも、かなり急斜面の高いガケから津留崎さんが滑り落ちるということがありました。僕はその10メートルくらい下にいて、上から悲鳴が聞こえたと思ったら、崖に対して腹ばいの姿のまま、ザーッとこすれる音を立てて落ちてきたんです。「あっ、これ下まで落ちて死ぬんだろうな」と、どうすることもできないでいたのですが、津留崎さんはものすごいスピードで滑落する中、たまたま生えていた小指の先くらいの太さのひょろひょろとした細い潅木をとっさにつかんで止まり一命を取り留めた。火事場の馬鹿力って凄いなあと思いながら見ていたんですけど。みなさん、そういう危険な体験をされているみたいです。