撮影:ケロッピー前田
ちなみに展示タイトルにある「ドラコニア」とは、1906年に発見された小惑星につけられた名前で「蛇または龍の棲む辺境の国」を意味するが、澁澤は自身の書斎空間を勝手にそう呼んでいた。つまり、ここに再現された澁澤邸こそが龍が棲む地「ドラニコア」なのである。
撮影:ケロッピー前田
澁澤は1928年に生まれ、17歳で終戦を迎え、東京大学を卒業したのち、54年にジャン・コクトー『大股びらき』の翻訳でデビュー。60年、マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』が発禁となり、翌年からサド裁判が始まると、各種メディアにスキャンダラスに報じられ、時代の龍児となっていく。