「NASAは1970年代に“火星の生命体”の証拠を掴み、隠蔽」当事者暴露! 葬られた「バイキング計画」の成果とは?

 これら4つの実験のうち、3つ目の実験でポジティブ、つまり生命の存在を裏付けるような結果が出たのである。当然大きく注目されたのだが、他の実験ではネガティブな結果が出ていることや、土壌中に含まれる非生物由来の成分でも同様の化学反応は起こるとの反論もあり、この「生命の証拠」は決定的なものではないと忘れ去られてしまった。

 だが、この結果を火星の生命の証拠であると信じ続ける人物がいる。その一人が問題の実験のデザインや分析を担当した科学者ギルバート・レヴィン氏である。彼は微生物の検出や種類の同定の専門家であり、バイオテクノロジー企業の設立や研究開発に関わり、多数の特許も取得している有能な技術者でもある。レヴィン氏らは実験の結果が生命の存在の証拠であると訴え続け、その後もデータの解析を続けており、2012年にも論文を発表しているという。

「NASAは1970年代に火星の生命体の証拠を掴み、隠蔽」当事者暴露! 葬られた「バイキング計画」の成果とは?の画像4ギルバート・レヴィン氏。画像は「YouTube」より引用

 この実験結果は近年見直されつつあるといい、最新の検査装置を使ってもう一度実験をすべきとの声もある。1970年代当時、火星探査機に積み込まれた機器は生命の痕跡を調べるには感度が低すぎたという指摘もあり、再度実験を行って、なぜあのような結果が出たのかをもう一度調べるべきとの指摘もある。だが「Space.news」の記事によると、NASAは不可解なことにその提案を受け入れることはなく、関心を示す態度すら見せないという。

 火星に生命が存在する証拠を追い求めているはずなのに、NASAはなぜ過去の有望な実験の再現を求める声に耳を傾けないのだろうか? レヴィン氏は最近、「火星に生命が存在することをNASAは知っていると確信している」とも発言しているという。華々しく発表される火星探査の裏で、NASAは何かを隠しているのだろうか。いずれにしろ、地中に液体の水が確認され、生命の存在する可能性が高まっている今こそ、その痕跡を発見すべく新たな調査を行うときだろう。NASAの火星探査の行方を見守りたい。


参考:「Space.news」、「Wikipedia」、「SPIE.」、ほか

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