1万年前の暮らしを続ける「ハッザ族」の写真が超カッコイイ! 捕獲したヒヒを八つ裂き、究極ワイルドライフの実態とは!?
東アフリカ・タンザニアのエヤシ湖周辺で1万年前と変わらぬ狩猟採集生活を送る少数民族「ハッザ族」の暮らしぶりを捉えた新たな写真が話題を呼んでいる。
■現存する狩猟採集民族“ハッザ族”
農耕社会の起源については諸説あるが、それ以前の我々の先祖は長い間、おしなべて狩猟採集生活を営んでいた。健康的な食生活という観点から狩猟採集時代の食事は“パレオダイエット”と呼ばれて注目を集めているが、アフリカ・タンザニアの北部では現在でも狩猟採集生活を送る少数民族・ハッザ(Hadza)族が存在している。彼らは1万年前と変わらぬ暮らしを送っているといわれている。
これまでにも多くの研究者やカメラマンがハッザ族を取材しているが、先日の英紙「The Sun」の記事では、キングス・カレッジ・ロンドンのティム・スペクター教授が昨年、ハッザ族と生活を共にしたときに撮影された写真を紹介している。捕獲した大型のヒヒを食用に切り刻む様子を捉えた写真は圧巻の光景だ。
ハッザ族の生活圏は昨今どんどん狭められているというが、それでも彼らは1万年前と変わらぬ暮らしを根強く続けている。その生活の柱となっているのが狩猟である。
男たちは、日中の手が空いた時間に狩猟に使う矢やヤリの作製や手入れに余念がない。ひと通り作業が終われば今度は大麻を回し飲みをする。大麻は紙巻にするか石をくり抜いて作ったパイプに詰めて吸っている。
彼らは独自の言語を持ち、親族を含めて緩いつながりの20~30人のコミュニティで集団生活を送っている。現在ハッザ族の人口は合計で1000人強であるということだ。現存する最後の狩猟採集民族のうちのひとつである。彼らが暮らす場所の近くには初期の人類が残したいくつかの遺跡もある。
彼らの第一の主食は狩りで手に入れたヒヒやヤマアラシなどの野生動物の肉である。男たちが捕獲した野生動物は、その日にコミュニティのメンバー全員で分け合って食べる。
また、彼らはバオバブの木の実を摘んだり、地中からヤマイモを掘り起こして焼いて食べたりもしている。バブバブの木の実を砕いて混ぜるとミルクシェイクのような風味になるということだ。
ハッザ族の人々と3日間生活を共にしたティム・スペクター教授によれば、ハッザ族の人々は世界で最も健康な胃腸を持っているという。ハッザ族の食生活は腸内細菌叢の多様性を高めているのだ。
最低限のモノしか持たず、食料を貯蔵することもない彼らの生活は究極の“エコ生活”ともいえる。彼らの暮らしがいつまで続くのかはわからないが、エコの観点からも食事の面からも我々が学ぶべきことがまだいろいろとありそうだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「The Sun」、ほか
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