【閲覧注意】「折り畳まれた男」が悲惨! 太ももと顔面がくっついて20年、“背骨を折る”難手術の末に…
中国湖南省永州市に住む李華さん(46)は「折り畳まれた男」と呼ばれていた。というのも、大きく曲がった背骨のせいで、20年前から顔を太ももに押し付けた格好で生活していたからだ。
李さんの症状は「強直性脊椎炎(AS)」である。ASは非常に珍しい関節炎で、特異な遺伝子によって引き起こされると考えられている。脊椎の炎症により、背中や胸、首が硬直し痛みを伴う。また、骨がすり減るため、体が余分なカルシウムを生成して骨を成長させる。この過程で脊椎を構成する個々の骨が融合する場合がある。脊柱の湾曲によって前かがみの姿勢になる重症は「脊柱後弯症」と呼ばれる。
李さんの症状は過去5年間でどんどん悪化し、背骨が大きく曲がったため身長は90センチになってしまった。しかし、彼は治療を受けられずにいた。彼の家族には治療費を支払うだけの経済的余裕がなかったのだ。地元の医療機関において、危険を理由に手術を拒否されたこともある。彼はまっすぐに座ったり横になったりすることができず、年老いた母親に一日中介護してもらう生活をしていた。
そんな李さんは今年5月、広東省にある深セン大学総医院の脊椎外科・整形外科医師、陶恵人氏と出会った。陶医師は、李さんの姿勢が心臓と肺を圧迫しているため、この状態を軽減しなければ命に関わると判断し、手術することを決めた。過去にAS患者を手術したことのある陶医師だが、李さんのような重症患者を手術するのは初めてだったという。
今年6月から会議が重ねられ、李さんの精密検査が実施されるとともに、半年にかけて行われる治療計画が策定された。陶医師によると、この計画では難しい手術が4回必要となり、それぞれの手術で李さんが麻痺に陥るリスクがあったという。
通常の脊椎手術の20~30倍もリスクがある難手術は無事に成功した。李さんの背骨は、部分的に折られた後、まっすぐにされた。また、大腿骨を折ってから固定する手術も行われた。術後、李さんは歩行器の助けを借りて自由に動けるようになった。陶医師は、2~3カ月の理学療法で普通に動けるようになるだろうと述べる。
李さんは、20年ぶりに仰向けに寝ることができて幸せな気持ちになったという。退院後は仕事をしてお金を稼ぎ、人助けをしたいと望んでいる。難病から解放された彼の輝かしい人生は始まったばかりだ。
(文=標葉実則)
■“折り畳み式の男”が手術でまっすぐな体に!
参考:「The Daily Mail」、ほか
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