「世界の終わりまで、あと90秒」終末時計、2024年の時刻が発表される

dlsd cglによるPixabayからの画像

 23日、人類が直面する破滅的な脅威を象徴的に評価する「終末時計」の2024年の更新が行われた。終末時計は戦争や災害、環境破壊などの現状を踏まえ、「世界の終わり」である0時まであとどれだけ猶予があるのか象徴的に示すもので、1947年から毎年BAS(Bulletin of the Atomic Scientists:原子力科学者会報)によって発表されている。

 そんな気になる今年の評価だが、昨年同様0時まで90秒と変化はないものの、憂慮すべき数値のままであると発表された。同団体のレイチェル・ブロンソン会長は今回の結果について「世界が安定していることを示すものではありません。むしろ正反対です」と強調した。 その背景には、”不吉なトレンドが世界を世界的な破局へと導き続けている “点があるとかなり不穏な見解を示している。

 2024年に向けてBASが懸念している主要な問題の中には、ウクライナで進行中の戦争、米国、中国、ロシアそれぞれの核兵器のさらなる発展、気候変動の悪化に加え、AIや遺伝子工学のような “破壊的技術 “の高度化がある。

 BASが世界の現状をいかに危険視しているかを物語るものとして、彼らの「最高の」評価が1991年に下されたことは注目に値する。ソビエト連邦が解体されたおかげで、比喩的な計測時間はなんと真夜中まであと17分まで戻された。2023年に記録された真夜中まで90秒という時間とは対照的だ。

 BASの理事長を務めるジェリー・ブラウン州知事は、「指導者たちは世界を破局へと導いている」と嘆き、世界の超大国だけが「時計の時刻を引き戻すことができる」と主張した。 深い敵対関係にもかかわらず、彼らは協力しなければならない。 そのため、同グループは、米国、中国、ロシアに対し、年次評価で詳述されたそれぞれの世界的脅威について「真剣な対話を開始」するよう求めた。

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文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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