古代マヤ文明のパカル王は“古代宇宙飛行士”だったのか!?石棺の蓋に刻まれた図像の謎
古代マヤ文明の王は“古代宇宙飛行士”だったのか――。王墓の石棺の蓋には王が宇宙船を操縦して天上へと向かう様子が描かれているのだ。
■偉大なパカル王は“古代宇宙飛行士”だったのか?
古代マヤ文明の都市であるパレンケを強大な大国に成長させた「パカル王」ことキニチ・ハナーブ・パカル1世(K’inich Janaab’ Pakal I)は683年に80歳で亡くなり、遺体は王墓の石棺に収められた。
この偉大なマヤの統治者の石棺の蓋には実に興味深い描写がある。
古代の地球にやって来たエイリアンが文明を授けたとする「古代宇宙飛行士説」の提唱者は、この石棺にはパカル王が何らかの宇宙船に乗って離陸する様子がはっきりと描かれているのだと主張している。王の手は何らかの機械を操作しており、足はペダルの上に置かれ、何らかの酸素吸入装置で呼吸しているというのである。
このパカル王の古代宇宙飛行士説はエーリッヒ・フォン・デニケンによる1968年の著書『Chariots of the Gods』(邦題:『未来の記憶』)で初めて提唱された。
パカル王は亡くなったのではなく、UFOに乗って天上へと帰っていったということなのか。
メキシコの考古学者アルベルト・ルスがパレンケの神殿から下に通じる階段を発掘調査し、1952年に王の墓室とその中央に配置されていた巨大な石棺が発見された。
石棺の中の王の遺体は翡翠の仮面とビーズのネックレスをつけた状態で安置され、王とマヤ神話の人物像を描いた彫刻や漆喰のレリーフに囲まれていた。
もしもパカル王が宇宙へと帰っていった「古代宇宙飛行士」であるならば、この遺体は誰なのだろうか。
ある研究者が遺体の歯の摩耗を分析すると、遺体の死亡時の年齢はパカルの死亡時の年齢より40歳若いことが判明したという。つまり80歳で亡くなったとされるパカル王ではなく、この遺体は40歳前後の人物であるというのだ。
この分析結果は歴史家や考古学者の間で大きな議論を巻き起こして今に至っている。一説では王と同姓同名の人物の遺体なのではないかとも指摘されている。そして2006年の再調査によって遺体は67.5歳から90.7歳の間であるとの判定も導き出された。とすればこの遺体はやはりパカル王であっておかしくはない。
また一部の専門家は石棺の蓋に刻まれた図像はUFOや古代宇宙飛行士ではなく、マヤ美術の古典的な描写であると説明しているようだ。
蓋の縁の周りには太陽、月、星を含む宇宙のシンボルが描かれ、中央に描かれた十字形の世界樹が寺院の巨大な壁の彫刻と密接に関連しているというのだ。
とはいえパカル王とその生涯、そして死に関連する謎はまだ数多く残されているという。はたしてマヤ文明で絶大な指導力を発揮したグレートキングは古代宇宙飛行士であったのか。もしそうであればいつか地球に戻ってくる日は来るのだろうか。
参考:「Ancient Code」ほか
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