20世紀初頭に写真家が残したアメリカの過酷な白人児童労働「アメリカンボンバー」の記録!!
■いち早く写真の力に気づいた教師ルイス・ハイン
©Lewis Hine―――休憩時間を楽しむ労働者達
1874年生まれのルイス・ハインは20世紀初頭にいち早く写真をドキュメントの武器であることに気づき、当時のアメリカで行われていた児童強制労働や貧民街の様子そして摩天楼に象徴される著しい発展の影で危険かつ過酷な労働に従事していた労働者を写真に収めた。当時はようやく手持ちカメラが普及しだした時代、カラーフィルムが無いのはもちろんのこと、撮影も一枚一枚シャッターを切るたびにフィルムを交換せねばならず、ルイスが残した仕事の凄さに驚かされる。
■アメリカンボンバー、アメリカの闇を撮り続けて
写真に人々の心を動かすといち早く気づいた彼は、まさに当時のアメリカの影を写していたといえる。そうした影によってできた栄華を彼は「アメリカンボンバー」と揶揄した。写真家として、同時に教員としての彼は数々の言葉を残している。1908年、全米児童労働委員会のカメラマンとしての彼はこんな発言をしている。「児童労働の問題に取り組み始めた当初、私はカメラ機材を持っている研究者でした。しかし、写真のほうに人々の全注目が集まるようになってしまうと、『研究を行うカメラマン』に立場が逆転してしまいました」と。
ー写真は暗闇に灯りをともし、知られずにいた部分に光を当てることができるのです。 もしも言葉で語り尽くすことができるなら、こんな旧式の重いカメラを引きずって歩く必要はないのですが。 私がやりたかったことが2つあります。正されなければならない事柄を示すこと。そして、正当に評価されるべき事柄を示すこと。
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