本人確認に「体臭ID」が利用される?85%以上の確率で個人の体臭を特定できる生態認証システムが開発される
なんかくさ~い、って自分の周りで言われるとちょっとドキッとしませんか。自分のにおいってなかなか自覚はできないもので、不安を感じさせますよね。ある調査では、9割の男性が「カッコ悪い」と言われるより「くさい」と言われる方が傷つくという結果がでるなど、においを気にする人はとても多いです。思春期の娘さんに心を打ち砕かれたお父さんも全国に大勢いることでしょう。そんな気になるカラダのにおいですが、それによってあなたが何者であるかすぐにわかってしまうようになるかもしれません。
2月5日に「Discovery News」が報じたところによりますと、マドリード工科大学とイリア・システマス社の共同研究により、においで人を識別するシステムが開発され、高い精度で個々人を識別することができたようです。この研究では、すべての人に固有のにおいパターンがあることを利用し、それをセンサーによって感知することで85%以上の確率で個人を識別することができました。つまり、においによる認証が、人間の身体的特徴を利用した個人認証である生体認証の新たなジャンルとして確立しそうなのです。
■新たな生態認証に“体臭”が追加される!?
最近は空港や銀行などで本人確認をする際に、生体認証を行うこともポピュラーになっています。生体認証といえば、指紋や瞳の中の虹彩、さらに血管や顔によるものがありますね。ただ、指紋での認証は正確性が高いものの、どうしても犯罪捜査を連想させるため、認証時に抵抗を感じてしまう人も多いようです。顔認証はそのようなことはないのですが、その正確性について全幅の信頼を得るに至っていません。しかし、においによる認証であれば、システムが設置された区間を歩いている間に認証されるので、極めて自然に、顔認証と並行して負担なく認証をすることができます。
においで判別できるなんて! と感心してしまいますが、よくよく考えてみると、においによる人の識別は決して新しいアイデアではありませんよね。警察犬が行うにおいによる捜査は既に一般化していますし、中国では、南京に体臭を冷凍保存する施設があり、実際の検挙に役立てたという例もありました。今回の研究ではまだ犬の嗅覚ほどの正確性はないものの、十分に実用性を備えはじめたと言えます。
ところで、体臭って病気や食生活、そのときの気分によっても変わったりするものらしいのですが、それでも識別は可能なのでしょうか。今回の実験ではセッションを分けて繰り返し調査した結果で、それでも85%を超える確率で、個人のにおいパターンを認識できたということです。これから更に精度を上げることができれば、手軽な生体認証の手段が増えることが期待できますね。(ただ、においで誰だかわかるというのも、指紋の照合とは別の抵抗を感じるような気もしますが…。)
ちなみに研究とは全く関係ありませんが、この研究を行っているマドリード工科大学は、サッカー日本代表の香川選手が所属するマンチェスター・ユナイテッドに、今冬クラブ史上最高額で移籍してきたマタ選手の母校だったりします。
(杉田彬)
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