体内に「溶ける電池」を仕込み、病気を防ぐ方法が開発される!? 医療の進歩がめざましい!
医療の世界は日進月歩の進化を遂げている。遠隔操作で手術を行うロボットや、飲み込んで使用するカプセル型胃カメラなど、医師不足を補ったり、患者の体への負担を軽減するものなど、その進化は目覚ましい。そんな中、「体の中で溶けてなくなる」という画期的な医療器具が開発されたという。3月27日付けの『Mail Online』が報じている。
体内で感染部を探し出すことができ、時間が経つと自然に血管のなかに溶けてなくなる。近い将来、そんなデバイスが移植される日を迎えることになるかもしれない……。
■体内の情報を受信する「電池」!?
イリノイ州のロジャース氏率いる研究チームが、体内を移動することのできる生分解性の電池を開発した。医師らはこの電池によってワイヤレス(無線)で体内の情報を受信することができるという。
この電池は、体内で3週間のうちに徐々に溶けてしまうとのこと。微量の仕様であれば、人体に有害な化学物質を放出することもないそうだ。
ロジャース氏によると、このデバイスを用いることで、体温や組織の発達状態のモニタリングなどが見込めるという。さらに、体内で特定の医療処置を施したり、薬の投与などを行うことができるかもしれないそうだ。また、採取したデータを医師にのもとに無線で送信することも可能になるという。
ロジャース氏が科学誌『Advanced Materials 』に語ったところによると、この電池はアノード(陽極)にマグネシウム箔を使い、カソード(陰極)には鉄やモリブデン、またはタングステンを用いる。さらに、電解液には生理食塩水を使い、電池は生分解性のポリ無水物重合体というポリマーでコーティングされている。水に浸した実験では、3週間以内で溶けたそうだ。
また、ロジャース氏は『Nature』誌の取材で、厚さ50ミクロン(1ミクロン=1メートルの100万分の1)のマグネシウム陽極と、厚さ8ミクロンのモリブデン陰極を有する1平方センチメートルのセルは、2.4ミリアンペアの電流を発生させることができたことも述べている。しかし、この電池の電力は現段階で1日程度しかもたないため、今後マグネシウム箔の表面積を拡大することにより、この持続時間をさらに延ばすための研究を行うと語った。
この画期的な発明は、2012年に同チームが行った研究に基づいて生まれたものだ。2年前、この研究チームは、体温のモニタリングや感染症の防止を目的としたシリコンチップを開発していた。しかしこの時に作られた集積回路チップは、コイルを使用していたため、外部電源を要するものであった。
身近な医療器具の進歩のなかに“痛くない注射針”の開発がある。1日に何度も注射をうつ必要のある糖尿病のインスリン治療のため作られたそうだ。このような注射針から記事で紹介したモニターのようなものまで、医療技術の開発は目覚ましく進んでいる。それに遅れをとることなく、先進医療技術の保険適用対象の拡大などさまざまな整備が進み、これらの技術がより身近なものとなって、その恩恵に授かることができれば尚ありがたいのではないだろうか。
(雅代ノワール)
参考:「Mail Online」「Advanced Materials」「Nature」
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