【シーク教徒】 カッコイイ! 本当に驚くほど巨大なターバンを巻いたおじいちゃんの決意!

 インド全域に分布しているシーク教徒は生涯、髪やひげを切らずに伸ばし続けターバンをその上に巻き付ける事が伝統となっている。しかし若いシーク教徒は、「重い」「暑い」などの理由で、髪を切ってしまい、帽子のようなもので代用する人が増えつつあるそうだ。

 そのような軟弱な若者に“活”を入れるおじいさんが、インド北部のパンジャーブ州にいる。敬虔なシーク教徒のアヴァタ・シン・マウニさんは世界で最大のターバンを頭に巻いているのだ。そのターバンを巻くのに何と毎朝6時間かかり、ターバンの長さは計645メートル(50メートルのスイミングプール役13個分)、重さは何と45キロ!(成人女性1人分といってもいいほど)だ。

■645メートル、45キロの巨大ターバン!

【シーク教徒】 カッコイイ! 本当に驚くほど巨大なターバンを巻いたおじいちゃんの決意!の画像1Daily Mail」の記事より

 マウニさんは現在60歳でインド北部パンジャーブ州のパティヤーラーに住み、16年間にわたり、ターバンの布を増やし続けているという。

 通常のシーク教徒のターバンの長さは5~7メートルであるのに対し、マウニさんのターバンはケタはずれだ。布の長さはまだ公式には記録されてないが、確認されたら現在のギネス世界記録ホルダーで400メートルのターバンを巻いているマジョール・シンさんを追い抜くだろう。
 
 ターバンの布だけですでに30キロの重さがあり、それに飾りをつけると全重量は45キロにもなるという。それに加え、マウニさんは合計重量40キロにもなる刀と腕輪も身に着けている。

 マウニさんは「これを重荷と考えたことはありません。これを付けている時が一番幸せに感じます」と言う。

 マウニさんは「やり方は、ただ布を上から下に巻き付けるだけです」と説明する。「たまにターバンを着けない時には、何かが足りない感じ、自分の一部が欠けているような感じがします。私が手足の力をなくすまでは、このターバンを頭の上に乗せて運びます」と決意を語る。

■若者の“ターバン離れ”に警鐘

 彼の大きな頭で戸口を通る事は難しく、ましてや乗用車に乗る事は不可能だ。そのため、マウニさんは日々バイクで移動する。この姿が何とも珍しいということで有名になった。

 しかし、シーク教徒の伝統的な軍隊である「ニーハン(Nihang)」の高位に属しているマウニさんは、時折そのプライドが傷つけられるのだという。

「私が出かけると多くの人に取り囲まれます。ある人々は、『あなたはそんな大きなターバンを巻いて素晴らしい』と驚嘆する人もいます。でも、時にはただ写真を撮りたいだけの人々も。そんな時、私は大声で『やめろ!!』と言ってやるんです。私はこのターバンを着けるのに何時間もかかるのに、彼らは写真だけ撮ってさっさと立ち去って行きます」と憤る。

 もっとも、中にはマウニさんのことを「ババジ(Babaji、おじいさんを意味する)」と愛情を込めて呼び、この巨大なターバンが、若い人々の信仰心を再び呼び起こしたとして尊敬する者もいる。「最近のシーク教徒の子どもたちはターバンを巻くことを忘れています。でも、おじいさんはその重要性を皆に思い出させてくれました」。

 この記事が掲載されたデイリーメイルの読者コメントでは、「ワオ! 映画館で彼の後ろの席に座りたくないね」「空港のセキュリティはどう抜けるのだろう?」…などと、笑いを誘うコメントであふれていた。

 筆者は、マウニさんのターバンのセンスに感銘を受けた。オレンジ、黄色、ブルーがうまくマッチしていて、シルバーの飾りも加わり何とも美しいではないか。マウニさんの身体が今後も健康で、「ターバンおじいさん」として若者に活を入れ続ける存在であってほしい。
(文=美加リッター)

参考:「Daily Mail」ほか

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