虫が食べて死ぬものを人間が食べて大丈夫? 遺伝子組み換え食品の「基本のキ」


 現在GMOの危険性は確認されていないが、安全性を疑問視する論文や研究結果が発表されているのも事実。人体に安全かもしれないし、危険かもしれない。はっきりとした答えが出ていない以上、消費者は自己責任で判断するしかない。食べてもいいと思う人は食べればいいし、食べない方がいいと思う人は食べなければいい。だが、現在アメリカには「GMOを使った食品です」と表示する義務がないため、判断する基準がないのだ。自分が食べたいものを自分で選ぶことができない現状がここにある。

 GMOを作っているのは、枯れ葉剤の製造メーカーであるモンサント社などの大企業。当然、アメリカ経済への影響力は大きい。それゆえ、アメリカ政府も対策に前向きではないようだ。

■特許権を使った大企業の横暴

 作中では、日本ではあまり報道されないGMOの特許の問題も取り上げられている。GMOを開発している企業は、自社で作ったGMOの特許を取得している。自分たちで開発した遺伝子の配列には、知的財産権が存在するという主張だ。アメリカでは利益を、独占する、この行為自体を、倫理的に問題視する声もあるようだ。

 企業が特許を持つGMOは、契約農家だけが栽培している。しかし当然GMOを栽培していない農家も存在する。そこにGMOの畑から風に乗って花粉が飛んできて、受粉してしまう。すると、企業と契約していない農家の作物の中に、GMOの特徴を持った遺伝子が存在してしまうことになる。そうなると企業から手紙が送られてきて「あなたの畑では、わが社が特許を持つ農作物を作っています。わが社と契約しなければ訴えます」と契約を迫られる。大企業と一農家。裁判にかかる費用を考えれば、農家に勝ち目がないのは明らかだ。これは日本人から見てもヤクザまがいの脅迫としか思えない。

 そして、今後、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)によって農業や食品の規制緩和が進んだ場合、アメリカのGMO企業が日本に表示義務撤廃を求めてくる可能性もある。日本の大手メディアには、この特許問題をもっと取り上げてほしいところだ。

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