悪夢の再来か… 中国で“激痛ウイルス”が蔓延 ― 人々が震える「チクングニア熱」恐怖の現場

悪夢の再来なのか――。中国で新たな感染症が猛威を振るい始め、当局は再びCOVID-19のような厳しい制限措置に踏み切った。病院の廊下には激痛に身を震わせる患者が溢れ、その戦慄の光景が「新たなパンデミックの始まりではないか」と世界に衝撃を与えている。
病院に響くうめき声 ― 激痛に耐える患者たち
感染拡大の中心地は、中国南部の製造業都市、仏山市。中国当局によれば、すでに1万人以上が「チクングニア熱」に感染したと報告されている。
市内の主要病院である勒流(Lecong)病院から流出した映像は、院内の混乱と患者たちの苦しみを克明に映し出している。ベッドは即席の蚊帳で覆われ、その中で患者たちは耐えがたい痛みにもだえているのだ。

現地の病院を訪れたジャーナリストは、「ほとんどのベッドに、間に合わせの蚊帳が設置されていた」と語る。ある患者は、「痛みがひどくてベッドから起き上がれない。38度の高熱も続いている」と衰弱した声で訴えた。
同病院の感染症専門医、リン・チュン医師は、その特異な症状について次のように説明する。
「ほとんどの患者に激しい関節痛が見られます。特に、手のひら、指、肘、手首といった小さな関節です。患部が腫れ上がっているのがはっきりと分かります」

謎の感染症「チクングニア熱」その正体とは?
この新たな脅威の正体は、チクングニアウイルスによって引き起こされる感染症「チクングニア熱」だ。このウイルスは、感染した蚊(ネッタイシマカなど)に刺されることによってのみ人に感染する。
主な症状は以下の通りだ。
39度を超えることもある持続的な高熱
耐えがたいほどの激しい関節痛
全身に広がる発疹
特に深刻なのは、その関節痛だ。一部の患者では、この痛みが数ヶ月から数年にわたって続く慢性的な症状に移行することがあり、生活の質を著しく低下させる。そして、このチクングニア熱には、特効薬やワクチンが存在しないのが現状である。
再びのロックダウン ― 当局が繰り出す強硬策
感染拡大を受け、中国当局はCOVID-19パンデミックを彷彿とさせる、強力な封じ込め策に乗り出した。
街中では防護服を着た作業員による消毒作業が始まり、患者は病院に隔離され、陰性が確認されるか、1週間の滞在を経なければ退院は許されない。
感染源である蚊を根絶するため、当局は総力戦を挑んでいる。住民に対しては、蚊の発生源となる水たまりを放置した場合に罰金を科すと警告。さらに、殺虫剤を散布するドローンや、ボウフラを捕食する「人食い蚊」(生物的防除の一種)や魚を大量に動員するなど、あらゆる手段を講じている。

新たな世界的脅威となるのか
中国当局は、現在のところ重症例や死亡例は報告されていないと発表している。しかし、感染が「流行(エピデミック)」レベルに達する恐れがあるとして、国家規模での蚊の駆除を求める声が高まっているのも事実だ。
中国メディアは、「これは音の無い戦いだ。我々は団結し、迅速に行動してウイルスの拡散を食い止めなければならない」と国民に呼びかけている。
特効薬のないウイルスとの戦いは、まだ始まったばかりだ。世界は、この新たな感染症の動向を固唾をのんで見守っている。
参考:Daily Star、ほか
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2024.10.02 20:00心霊悪夢の再来か… 中国で“激痛ウイルス”が蔓延 ― 人々が震える「チクングニア熱」恐怖の現場のページです。蚊、パンデミック、感染症などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで