中国発、脳をハックされた「サイボーグ蜂」の衝撃!人類の救世主か、新たな兵器か

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画像は「YouTube」より

 もし、地震で崩れた瓦礫の中から生存者を見つけ出すのが、一匹のミツバチだとしたら――。そんな未来が、すぐそこまで来ているのかもしれない。

 中国の科学者たちが、世界で最も軽い「脳コントローラー」を開発し、それを使って蜂を遠隔操作する「サイボーグ蜂」を誕生させた。その主な目的は、地震で崩れた瓦礫の中にいる生存者を探し出すことだという。

 ミツバチは、体重の8割にもなる蜜を運び、空気抵抗を減らすために足をしまい込み、5kmもの距離を休憩なしで飛び続ける。自然界が生んだ驚異の能力を、今、人間の技術が新たなステージへと導こうとしている。

脳に針を刺し、幻覚で操る。驚異のサイボーグ技術

 この研究を主導したのは、北京理工大学のZhao Jieliang教授チームだ。彼らが開発した脳コントローラーは、わずか74ミリグラム。蜂が運ぶ蜜袋よりも軽い。

 この装置は蜂の背中に取り付けられ、そこから伸びる3本の針が脳に直接刺さる。そして、電気パルスを送ることで蜂に「幻覚」を見せ、飛行を意のままに操るのだ。「右へ旋回」「左へ旋回」「前進」「後退」といった命令に対し、実験では10回中9回、蜂は命令通りに動いたという。

 この昆虫ベースのロボットは、災害救助だけでなく、市街戦や対テロ作戦、麻薬取締りにおける隠密偵察など、軍事的な応用も視野に入れられている。研究チームによれば、「人工ロボットと比べて隠密性が高く、持久力もあり、環境適応能力に優れている」点が最大の強みだ。

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画像は「South China Morning Post」より

実用化への高い壁と、熾烈化する開発競争

 この技術は、これまでの最軽量コントローラー(シンガポール製)の3分の1という軽さを実現し、大きな一歩となった。しかし、実用化への道のりはまだ平坦ではない。

 最大の課題は電力だ。現在の実験は有線で行われており、自律飛行に必要な長持ちするバッテリー(約600mg)は、蜂にとっては重すぎる。また、電気信号で制御できるのは飛行だけで、足や腹部を操ることはできない。同じ信号でも昆虫によって動きが異なるなど、個体差の問題も残されている。

 このような課題を抱えつつも、サイボーグ技術をめぐる国家間の開発競争は激しさを増している。かつては米国防高等研究計画局(DARPA)がこの分野をリードし、日本が僅差で追っていた。しかし今、中国が政府の豊富な資金と急成長する電子産業を背景に、次々と記録を塗り替えているのが現状だ。

 サイボーグ昆虫が人命を救う希望の光となるのか、それとも新たな兵器となるのか。小さな蜂の背中に乗せられた技術は、科学の未来と倫理を我々に問いかけているのかもしれない。

参考:South China Morning Post、ほか

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