「息子をサイボーグに変える」マッドな母親の実験! 自閉症の子にスーパーパワーを与えた?
マッドサイエンティストを自称する母親が、自身の子供をサイボーグ化していると発言し、大きな話題になっている。理論神経学者のヴィヴィアン・ミン氏は、先天的な自閉症と糖尿病を患う息子のためにさまざまなデバイスを開発してきた。表情から感情を読み取ることを可能にする「SuperGlass」などがその代表だ。しかし、息子のためのおもちゃに過ぎないと語っており、病気を治すことに関してあまり積極的ではないようだ。
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※ こちらの記事は2019年7月25日の記事を再掲しています。
マッドサイエンティストを自称する母親が、自閉症の息子のサイボーグ化をしていると発言し、大きな話題になっている。
今月15日付の米ニュースメディア「Quartz」に、「私が息子をサイボーグに変えた理由」と題する理論神経学者のヴィヴィアン・ミン氏の記事が掲載された。
「私はマッドサイエンティストのように振る舞い、息子にスーパーパワーを与えたのです」(ミン氏)
ミン氏がそう決意したのは、彼が先天的な自閉症と糖尿病を患っていたからだという。神経学者であることを生かして、ミン氏はさまざまなデバイスを開発していった。たとえば、携帯型インスリン注入ポンプを“ハック”して、息子の感情や活動に合った量のインスリンが投入されるようAIに学習させたりしたという。
また、自身が研究していた「表情を読み取る」機械学習も自閉症に応用した。鼻に皺が寄り、上唇が上がったら“嫌悪”の表情であるとか、眉が下がり、目が大きく開き、唇が狭くなったら怒りの表情であるといったことに加えて、“愛想笑い”と本当の笑いも区別できるという表情筋を巧みに読み取るプログラムをグーグルグラスと合体させたのだ。
2013年に開発された「SuperGlass」は、他者の表情を読み取り、その人の感情を逐一教えてくれる。他者の表情から感情を読み取ることが難しい自閉症の患者も、これを使えば相手の感情を知ることが可能になる。
他者の感情を読み取る能力は自閉症の患者にとって超能力のようなものだという。テクノロジーによってミン氏の息子は自分の持つ能力を超えたのである。
ただ、ミン氏は息子の自閉症を“治す”ことには積極的ではない。SuperGlassも、「息子の経験と神経学的定型者(普通の“つまらない”脳を持つ人たち)の間の翻訳機」に過ぎず、「(自閉症患者と神経学的定型者の間に)同じ土俵を作るものではなく、息子が遊ぶためのおもちゃ」なのだという。
ところで、こうしたサイボーグ化は至るところですでに行われているとミン氏は指摘している。たとえば、視力を回復するためのインプラント、麻痺治療のための神経機能代替、パーキンソン病やうつ病治療のためのインプラントを使った脳深部刺激療法などだ。
また、性格を変えるデバイスまで存在するという。ミン氏が関わっているプルジェクトの1つである、ヘッドバンド「HUMM」は、電気信号を脳に送り、脳内の神経結合を高めることができるそうだ。たとえば、マルチタスクのパフォーマンスが向上したり、集中力が高まったり、記憶力が上がったりするという。
人類のサイボーグ化はテクノロジーの発展により、どんどん加速していくことだろう。我々の能力はどこまで伸ばすことができるのだろうか? 今後の研究に一層期待したい。
参考:「Quartz」、ほか
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