病院が人殺しの館に…!! 英国を恐怖に陥れた「サイコパス・フィリピン人看護師」にみる、外国人看護師受け入れの危険性
日本では少子高齢化による働き手の不足が指摘されて久しい。その解決策のひとつが移民政策での労働力の輸入といわれている。しかし、それに警鐘を鳴らす出来事が英国で起きている。
■大量殺人事件の始まり
事件は患者の不審な死から始まった――。
英国マンチェスター近郊にあるステッピングヒル病院で、2011年の6月と7月に患者が次々とインスリン過剰投与で発作をおこす事件が起きたのだ。その結果、トレーシー・アーデンさん(44)、デレク・ウィーバーさん(83)が死亡。
また、グラント・ミゼルさん(41)はインスリン過剰投与の後遺症で脳にダメージを受け、植物人間になってしまった。そのほか、17名の患者がインスリン、またはそれ以外の薬物過剰投与によって一時、危険な状態となった。そしてこの一件は事故ではなく何者かによる故意の犯行であることが明らかになったのだ。
犯行手口は巧妙で、点滴用バッグに肉眼では見えない小さな穴を開けてインスリンを注入したり、注射のアンプル(注射液)にインスリンを加えていたのだ。その「インスリン入り点滴バッグ」や「インスリン入りアンプル」が棚に並べられていたため、複数の看護師が知らずに患者にその点滴やアンプルを投与してしまったのだ。
警察はまず看護師の勤務表から容疑者を絞り、容疑が濃厚となった看護師を逮捕。しかし後に無実が判明し、釈放。その後の捜査で、点滴バッグを保存している部屋の監視カメラから真犯人のフィリピン人男性看護師ビクトリノ・チュア(49)が割り出されたのだ。
容疑者のチュアを調べるうちに、信じがたい事実が明るみに出た。まず、英国で外国人看護師の雇用の際に提出を義務付けられている看護学校の卒業証書、成績証明書、犯罪歴の有無が記載された警察証明書のすべてが偽造だったのだ!
チュアが通った看護学校の卒業試験は、替え玉が受験していたことも判明。またチュアは以前働いていたフィリピンの病院で盗みを犯し、クビになっていたこともわかった。もちろん、チュアの警察証明書は「犯罪歴無し」になっている。また、盗みだけではなく、フィリピンでも大量殺人を犯している可能性まで示唆されている。
看護師として無資格で犯罪歴のある男が、英国で医療行為に携わっていたことが次々と明るみに出たことで、英国社会は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
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