病院が人殺しの館に…!! 英国を恐怖に陥れた「サイコパス・フィリピン人看護師」にみる、外国人看護師受け入れの危険性
■偽造証明書が横行するフィリピン社会
現在、英国には3万人、米国には30万人のフィリピン人看護師が病院や高齢者施設で働いている。警察は現在英国で勤務中のフィリピン人看護師のうち、少なくとも数百人がこの偽造証明書で看護師の職を得たと見積もっている。
今回の事件で、フィリピンには犯罪組織が牛耳る偽造証明書のマーケットがあり、世界でも最高水準の偽造テクニックを持っていることが改めて明るみに出た。首都マニラにあるレクト街には小さな屋台がひしめき、そこではニセの看護学校卒業証書、成績証明書、卒業写真、犯罪歴のない事を証明する警察記録、パスポート、運転免許、出生証明書、結婚証明書など、何でも入手可能なのだ。フィリピン警察はもちろんその存在を知っているが、賄賂を受け取って、見て見ぬふりだと言う。また犯罪組織に限らず、政府で働く人の一部もニセの証明書を売っているといわれている。
■動機:「ノーコメント」
チュアを取り調べていくうちに、彼は鎮痛薬中毒であり、病院から鎮痛剤やそのほかの薬品を盗んでいたことがわかった。職場の同僚や患者はチュアの行動の異常性に薄々気づいており、病院側に苦情を寄せていたという。しかし病院側はそれを無視し、チュアに簡単なカウンセリングを受けるよう伝えただけであった。そのカウンセリングで彼はうつ病傾向を示していたが、カウンセラーから職場の上司に危険が伝えられることはなかった。
取り調べに対し彼は「ノーコメント」を貫き通し、無感情な態度だったそうだ。判決ではチュアは2件の殺人罪と21件の傷害罪を問われ、35年間仮釈放なしの懲役刑を言い渡された。
チュアにインスリンを過剰投与され、危うく一命をとりとめた患者のひとりは「私は今まで病院は安全な所で、病気を治してくれる場所だと信じ切っていました」と言う。確かに病院で看護士資格の無い人間に毒を盛られ命を奪われるとは、だれが想像するだろうか。日本も外国人労働者の受け入れを検討しているが、世界には「性善説」が通用しない国や文化が存在しているのを私たちは知っておく必要があるだろう。
(文=美加リッター)
参考:「Daily Mail」、「Manchester Evening News」ほか
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