【悲報】9月28日に地球滅亡!! ネット中を駆け巡る「ブラッド・ムーンの預言」
皆既月食の時、月は黒くなるのではなく赤銅(しゃくどう)色に見えるが、それを英語では「ブラッド・ムーン(血の月)」と呼ぶそうだ。「ブラッド・ムーンが4度続けて起きた後、地球が滅亡する」という預言が米国で世間を賑わせている。
■地球の破滅を預言する者たち
この預言を唱えているのは、テキサスにあるコーナーストーン・チャーチ(Cornerstone Church)の設立者、ジョン・ハギー伝道師と、ワシントンにあるエル・シャダイ・ミニストリー(El Shaddai Ministries)のマーク・ブリッツ伝道師だ。2人とも多くの信者を持つ著名な伝道師である。
彼らは2014年4月15日に始まったブラッド・ムーンは「テトラッド・ブラッド・ムーン(4回続くブラッド・ムーン)」と呼ばれる特別なものだと言う。2014年10月8日、2015年4月4日と続き、今年9月28日に最終の4回目が起きるが、それがハルマゲドン(地球滅亡)の時だと唱える。
その根拠として、このようなテトラッド・ブラッド・ムーンは過去2000年間に数回しかなく、その時期には必ず大きな宗教的事件(1948年のユダヤ国家の設立、エルサレムにおける6日間戦争、1492年にユダヤ人がスペインから追放された事件等)があったと言うのだ。
ブリッツ伝道師によれば、「過去10年間で地球上の地震は2倍に増えている」と言い、「地震はメシアの復帰前に増える。それは陣痛のようなものだ」と言う。
ハギー伝道師は『Four Blood Moons(4つのブラッド・ムーン)』という題名で本を出版した。その本は、ニューヨーク・タイムスのベストセラーのリストにも載り、本を元にしたドキュメンタリー風の映画も作られた。ハギー伝道師は、「神が地球にサインを出しているのに、我々はそれに気づいていない」と言い、「2014年と2015年の“ブラッド・ムーン”には、中東でISISの台頭が起きた」と言う。また同時にウクライナで起きている政変もブラッド・ムーンに関連しているのだと言う。
2人の伝道師には「間違った警告」を商売にしていると批判もある。しかし、この「預言」はユーチューブ・ビデオと共に、オンラインの宗教コミュニティで広まり続けていて、当分沈静化しそうにない。
■「預言は人々の関心を集めやすく、ビジネスになりやすい」
「地球滅亡論」に便乗し、トンデモナイ説を唱える人々も出現している。例えば、カリフォルニア州に住む福音伝道者の夫婦アニタさんとイグナシオ・フエンテス氏は本とビデオを発売し、その中でISISの台頭、エボラ熱の脅威、核兵器、金融恐慌、中国人ハッカーの米国への攻撃、動物の不審死、米国軍の「ジェイド・ハレム軍事作戦」、オカルト・ゲームの「チャーリー・チャーリー」の出現、そして大型ハドロン衝突型加速器の再稼働、全てが地球滅亡に関連していると語る。
また彼らによれば、「ウォルマートの数店舗が配管問題で閉店した事件」や、「顔に7の数字を持って生まれた2頭の牛」も全て地球滅亡の知らせだと主張する。そして何と、同性結婚を認める米国最高裁判所の判決も「地球滅亡の証拠」なのだと主張している。
全米で話題になっているとは言え、もちろん全てのクリスチャンがこのような滅亡論を信じているわけではない。ビデオ制作者のクリス・ホワイト氏は、「実際はブラッド・ムーンと世界で起きた事件の時期は一致していない」と言う。例として、地球破滅論者たちが論拠として主張している「スペインの異端審問」が始まったのは1478年だが、それが終わったのは356年後の1834年である。ブラッド・ムーンが起きたのは1492年と1493年で、時期的にずれていると反論する。
またホワイト氏は、何も重要な出来事が起きなかったブラッド・ムーンも過去に何回もあり、伝道師たちはこの事実をわざと無視していると指摘する。
「ブラッド・ムーン地球滅亡論」のビデオや本を読んだ人からの感想はこうだ。
「これらのビデオは全く意味がないね。例えばどの時代でも任意に4カ月間を選んで、その間に世界で起こった戦争、大災害、ひどい犯罪、伝染病などのショッキングな出来事だけを取り上げれば、この理論に当てはまる。しかし、かつてそれで地球が終わったことがありましたか?」
別の読者もこう言う。
「私だって預言出来ます。9月28日、我々全員は無事であり、この2人は自分たちのふいたホラのために大恥をかくことになるでしょう」
ブリッツ伝道師は惑星が9月22日から28日の間に地球に衝突し、地球は滅亡するという警告を以前出していた。しかし最近、滅亡は惑星衝突のためではなく、地震で起こると言い、そのはっきりした日付はわからないと意見を修正した。
21世紀の100年間で、合計142回(皆既月食85回、部分月食57回)の月食が起こると計算されている。確かにその間にあった世界的に注目された事件と結び付ければ、誰でも預言ができそうだ。
アバディーン大学で新約聖書を研究するゲリー・ショーゲン教授は、「黙示録の預言は人々の関心を集めやすく、ビジネスになりやすいのです」と言う。
次々に新しい「地球滅亡論」が世の中に流布されては消える。今月28日に本当に何かが起きるのか、何も起きなかった場合、これらの伝道師たちはどんな説明をするのかが注目される。
(文=三橋ココ)
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2024.10.02 20:00心霊【悲報】9月28日に地球滅亡!! ネット中を駆け巡る「ブラッド・ムーンの預言」のページです。月、預言、ブラッド・ムーン、終末、三橋ココ、司祭などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで