【パリ同時テロ】死者130人はシリア内戦で1日で死亡する人数より少ない
13日夜(日本時間14日早朝)、フランスのパリでコンサートホールや北部のサッカー競技場などを標的とした同時多発テロによって、約130人が死亡する悲惨な事件が起きた。中東の過激派「IS」(イスラム国)が犯行声明を出したことで、欧米諸国によるIS支配地域への空爆に対する報復であることが明らかになっている。
このテロ事件によってかき消されているのが、12日にレバノンの首都ベイルート南部で起きた同じくISによる同時多発自爆テロ事件だ。イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の拠点地区である住宅街で発生、少なくとも41人が死亡、200人が負傷した。
そもそも、日本ではベイルートでのテロ事件だけでなく、米露の空爆によって命を落としたシリア市民、パレスチナ人・クルド人・ユダヤ人が絡む中東各地の内戦による死者数はあまり大きく報じられない。はたしてパリ・テロ事件での「130人死亡」というのはあくまでも数字的にみた場合、多いといえるのだろうか?
「まず、現在ISはじめ、その他武装勢力の活動やシリア国内で起きている内戦などでは、1日で今回の事件以上の死者が出ることも珍しくはありません。その意味でベイルートでのテロ事件の報道量が少ないことは、アラブ・イスラム圏内で欧米のスタンスに疑問を持つ民衆の不満を増幅させる可能性はあると思います。長い目で見れば、そうした不満層がISにさらに流入する可能性は否定できません」(村上和巳/軍事ジャーナリスト)
たしかに、そもそも中東問題を引き起こした原因は欧米社会にあるにもかかわらず、パリのテロ事件ばかりを報道することに不満をもつアラブ・イスラム圏内の人々は多いはずだ。
さて、今回のパリ・同時テロ事件は9.11アメリカ同時多発テロ事件以来最大のテロ事件だといわれているが、9.11ではその後多くの陰謀論が流れた。主な陰謀論に「アメリカは事前にアルカイダの攻撃を知っていた」「貿易センタービルにユダヤ人が1人もいなかった」などが挙げられるが、理由としては、米国の仮想敵「テロリスト」を確立することで、米国の軍需産業と石油産業の巨大利権を得ようとしたという見立てだった。今回もこのテロ事件によって “得をする国”はあるのだろうか?
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