雑食性動物に野菜だけの餌を与え続けた結果、草食性動物に変化! 小腸も17%伸びる結果に
――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ
雑食性の生き物にとって、野菜ばかり食べるのはつらいことだ。人間でも、ダイエットのためにサラダばかり食べていたらかえって体調を崩してしまった、なんて失敗はありがちだろう。食性というのはそれぞれの動物に固有のもので、そう簡単には変化しないもののように思われる。しかし、雑食性の生物でも菜食を続けていれば案外簡単に草食性に変わることもあるらしい。今月15日付の「Science」のニュースにそんな興味深い記事が掲載された。
今年3月に学術誌「Journal of Experimental Biology」に掲載された論文によると、本来昆虫などを食べる雑食性のイグアナ(Liolaemus ruibali)にほぼ野菜だけの餌を与え続けたところ、バランスのとれた食事を与えていた群に比べ、小腸が17%伸びて腸内細菌が多様になっていたという。また、植物性の餌だけを与えられていたイグアナの腸内細菌には、食物繊維を消化できるものが増えていたそうだ。
この結果は、生物の食性は腸内細菌を含む身体的な要因にはあまり制限されず、状況によっては比較的容易に変化しうることを示している。
この論文はあくまでイグアナに関するものだが、人間ではどうなのだろうか? 例えば、ベジタリアンの人から取った乳酸菌をサプリで取れば、野菜だけでも満足できる体になるのだろうか? 生物学に詳しい理学博士X氏に尋ねてみた。
「飲食で摂取した乳酸菌は腸内に定着しません」(理学博士)
開口一番、X氏から飛び出たのは衝撃的な言葉だった。
「『腸に定着する』というのを売りにしている乳酸菌飲料もあるようですが、基本的には『生きて腸まで届く』のがせいぜいです。生きて届いてもやがて大便と一緒に排泄されます。最近は糞便移植といって、潰瘍性大腸炎などの患者さんの大腸に健康な人の便から抽出した腸内細菌を注入するという方法も出てきました。腸内細菌を人為的に操作するというのは難しいことなんです」(理学博士)
■話題は変わり…生菌意味なし論へ
それでは、乳酸菌飲料やサプリには何の意味もないのだろうか?
「口から摂取した菌は既に持っている腸内細菌の餌になり、バランスを整える役に立っています。乳酸菌の摂取で便秘や下痢などの改善が見られるのはこのためです。摂取するのは生きている菌でも死んでいる菌でもどちらでもよく、効果にあまり差はないと言われています」(理学博士)
X氏によると、場合によっては生菌より死菌の方が効果があるということもあるらしい。何ということだろう。乳酸菌飲料には殺菌済みの物が多いが、健康のため、美味しくないと思いつつも生きた乳酸菌の入った製品を選んでいたのが馬鹿馬鹿しくなる話だ。
「乳酸菌の効果やら生死ではなく、美味しいかそうでないかで選んでいいと思いますよ。特保など科学的に効果が証明されたという商品だって、実際論文等を見ていると、これ本当かなと思うのは結構ありますし」(理学博士)
健康にいいと聞かされるとつい飛びつきたくなるのが人情だが、あまり信じすぎてもいけないようだ。腸内細菌や体質を変えたいなら、結局のところ、地道な努力しかないのかもしれない。
(吉井いつき)
※参考「sciencemag」「biologists」
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2024.10.02 20:00心霊雑食性動物に野菜だけの餌を与え続けた結果、草食性動物に変化! 小腸も17%伸びる結果にのページです。科学、レプティリアン、遺伝子、性転換、吉井いつきなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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