「セクション2:宇宙という時空間」
■現代アートが作り出した“宇宙”
ここでは、最新の宇宙理論を作品に取り入れる現代アートの作家たちのスケールの大きな作品が並ぶ。中でも、ブラックホールを木材や蛍光灯といった身の回りの素材を組み合わせ、巨大なインスタレーションに仕上げたビョーン・ダーレムの作品や、日時計からヒントを得て太陽の動きを機械仕掛けで再現するコンラッド・ショウクロスの作品が印象に残る。写真作品では、大御所アンドレアス・グルスキー、ヴォルフガング・ティスマンス、トレヴァー・パグレンらのものに、新たな宇宙の見方を見出している。中国の画家ジア・アイリのストイックな筆使いにも、宇宙へのこだわりがみえる。
「セクション3:新しい生命観 宇宙人はいるのか?」
■うつろ舟資料に滲む宇宙人との遭遇の衝撃
虚ろ舟より
荒俣宏のSF雑誌コレクションより
その先には、宇宙人のコーナーがある。Tocana読者が最も気になるのもここだろう。そして、真っ先に引き寄せられるのが、江戸時代のUFO現象として、世界的にも知られる「うつろ舟の蛮女」である。当時のかわら版などの資料をこういう形で観られるのは貴重だ。先に紹介した現代アートのローラン・グラッソによる、うつろ舟にちなんだ作品も展示されている。
作家・荒俣宏によるSFマガジンコレクションもマニアには嬉しいところ。さらには、空山基の《セクシーロボット》が未来の人類の可能性を示してくれるのだ。