完全に正体不明の人物が起こした怪事件5選！連続強姦殺人、大ヒット作曲、華麗なる銀行強盗…

• 
• Xでポスト
• 

　今の時代、事件が起こるとその関係者は身元が特定され、人柄まで報道されることもしばしばだ。だが、一昔前にはそれらが身元不明で終わってしまった不可解な事件も起きていたようだ。事件の全貌は判明しているのに、それに関係している張本人のことはまったくわからない。米国で発生した何とも不思議なケースを5つ、厳選して紹介しよう。

■ジュリー・ドウ

画像は、「Orlando Sentinel」より

　1988年9月25日、米フロリダ州にある雑木林で腐乱死体が発見された。死因は解明されなかったが、豊胸手術や出産の跡らしきものがあったことから、死体はおそらく女性だと推測されたのだが、その身元を特定することまではできなかった。

　2015年になり、遺体をDNA鑑定してみると驚くべき結果が。なんと男性のDNAが検出されたのだ。トランスジェンダーと思われるこの犠牲者には、「ジュリー・ドウ」と名がつけられた。ジュリーは生前に性適合手術を受けたものと思われるが、1988年当時は極めて稀なことだったため、女性と推測されることに。現在もジュリーの身元はわからないままとなっている……。

■アレン

画像は、「MLive」より

　1976年から77年にかけて、米ミシガン州オークランド郡で4人の子どもが誘拐され、殺害されるという事件が起こった。それらの犯行は強姦後に射殺・絞殺するなど、残酷極まりないものだった。

　捜査はするものの有力な情報がつかめない中、この捜査に協力していたデトロイトの精神科医、ブルース・ダントー博士のもとに「アレン」と名乗る男から手紙が届いた。「アレン」は犯人のルームメイトで、犯行にも加担していたと主張。犯人はベトナム戦争でトラウマを抱えた退役軍人であり、裕福な家庭を憎んで犯行に及んだというのだ。博士はアレンと会う約束を取りつけるが、結局その後アレンと出会えることはなかった。2007年にはこの事件に関与していると思われる人物が逮捕されたが、犯人とは断定されていない。

■ザ・ティアドロップ強姦

画像は、「The Daily Beast」より

　米ロサンゼルスで1996年から30件以上もの連続婦女暴行事件が発生した。被害者が犯人の左目付近に「涙のしずく（teardrop）」のタトゥーがあったと証言したことから、この事件は「ティアドロップ強姦」と呼ばれることに。犯人は、14歳から41歳までの女性を銃やナイフなどで脅し、暴行を繰り返していたという。

　1999年、ルイス・バルガスという男性が「被害者の証言と同じ位置にタトゥーがある」ということを決め手に逮捕され、懲役55年が言い渡された。しかしルイスは、逮捕時から一貫して無実を訴えていた。それから16年後の2015年11月、DNA検査によってルイスは無罪であることが証明されたが、ルイスが16年もの間服役していたことは事実。そして真犯人は今も正体不明のままだ。

■ウィートン・バンディット

画像は、「TribLocal」より

　2002年1月、米イリノイ州郊外の銀行で、手に拳銃を持った覆面男による銀行強盗事件が起きた。犯人はその後7つの銀行を襲い、「ウィートン・バンディット」という名前がつけられた。

　犯行は2006年12月7日まで繰り返され、「ウィートン・バンディット」は16の銀行や信用組合から合計10万ドル以上の強盗に成功。犯人逮捕には5万ドルの懸賞金がかけられたが、逮捕には至らず時効を迎えた。これだけ大胆な犯行を繰り返したにも関わらず、身元が割れることはなかった。

■ボー・ウィーヴィル・ジャクスン

画像は、「MICHAEL MESSER FORUM」より

　1926年に「ボー・ウィーヴィル・ジャクスン」がブルースのアルバム2枚を発売した。力強い歌声や疾走感と独特なギターの音色が人々を魅了し、その中の楽曲のいくつかはブルース名作選のアルバムにも収録されるなど、現代でも高い評価を得ている。だが驚くべくことに、「ボー・ウィーヴィル・ジャクスン」は正体不明の謎の人物なのだ。

　5度のグラミーを受賞した伝説的ギタリスト、サム・バトラーと同一人物ではないかという説もあるが、確定的な情報ではない。「ボー・ウィーヴィル・ジャクスン」は、その2枚のアルバムのみを発売して突如音楽シーンから姿を消している。彼の音楽は今でも高い評価を受けているが、その身元は一向に不明のままだ。
（文＝須永温士）

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

関連記事