勝新太郎(ニセ者)がアヤシイ中国人相手に大暴れ!? とんでもない封印“珍”映画『盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン』
■あらすじ
天下無敵のチュウ(イケメン中年)に、やはり高名な武芸者ウー(ごついヒゲ面)が挑戦する。頂上対決の結果はチュウが勝ち、ウーは戦闘不能に。チュウがトドメを刺さないでいると、ウーはそれを屈辱と感じ、駆け寄る妻の前で自決する。
しばらくして、座頭市に酷似した男が帰郷。使用人が「フェイ様、あなたの兄上はチュウに殺されました」。ニセ座頭市は中国人だったのか! 聞けば、家出していた彼は5年前に日本の海賊に拉致され、日本で暮らしていたのだという。居合い術は日中どちらで習得したのかは不明だ。そして帰国しても日本人の服装をしているのも謎(笑)。
その頃、幼い息子をオンブして林道を歩いていたウーの嫁が、ならず者どもにレイプされそうになる。そこへ姿をくらませていたチュウが通りかかり、無抵抗でボコボコにされながら金品を渡して許してもらう。チュウはウーに勝ったため挑戦者が相次ぎ、仕方なく人を殺めてきた。悩んだ彼は戦いをやめるため自分の剣を折っていた。
さて町では、フェイの前に「ついに見つけたぞ」と威勢よく空飛ぶギロチンの使い手が現れる。「バキューン!」という銃撃の効果音と共に投げつけられたギロチンは、フェイの隣にいたヤクザの頭部に「カポッ」とかぶさり「ポンッ」と頭が抜ける。勝負はいったんお預けとなる。
やがてフェイは再会したウーの嫁から旦那が死んだ真相を聞かされたものの、チュウからは「私は剣を捨てたのです」と果し合いを断わられガッカリ。そんなフェイをよそにチュウを狙う武芸者タンロンが、チュウが通っていた道場に押し掛け、道場主と30人はいそうな門弟たちを難なく全滅させ(強すぎ!)、ウーの息子を誘拐。チュウは堪忍袋の緒が切れる。
残り10分を切るが、ここからは「ニセ座頭市VS空飛ぶギロチン」と「チュウ対タンロン」という2大ゴールデン・カードが並行して観られる。仕込み杖を飛ばされてピンチに追い込まれたフェイはキセルで、一方チュウは折れている剣で、それぞれ肉を切らせて骨を断つ相討ち覚悟の辛勝。またしても人を殺めてしまったチュウは、ウーの妻子を残して黙って去る……。題名にごまかされていたが、主役はチュウだった。
酒巻輝男の白目の剥き方は黒目が見えていて下手だが、殺陣はさすがに一世風靡しただけあってうまい。これ、7年前にインディーズメーカーから、画面の両端が切れて4:3になった裏ビデオ並みの画質のDVDが密かに発売されていたが、放送やブルーレイディスク化は……無理かなあ~。
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2024.10.02 20:00心霊勝新太郎(ニセ者)がアヤシイ中国人相手に大暴れ!? とんでもない封印“珍”映画『盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン』のページです。殺人、勝新太郎などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで