独自の道を歩む39歳2人が「孤独と老化と勉強」を語ったら、想像の斜め上だった!【哲学者・千葉雅也×俳人・北大路翼対談】

【俳人・北大路翼×哲学者・千葉雅也、孤独と老化を語る】
蒸し暑い夜、知的で詩的な対談が歌舞伎町の雑居ビルにある「砂の城」の一室で行われた。そこにいた男のひとりは、欲望と暴力の街・新宿歌舞伎町で句作に没頭する俳人・北大路翼。天才芸術家・会田誠から譲り受けた酒場「砂の城」を拠点に俳句一家「屍派」を束ね、NHKで報じられるなど現在注目の人物。今年5月には第二句集『時の瘡蓋』を上梓し、日々、精力的にTwitterにて俳句をつぶやき続けている。対するは、千葉雅也。東大・京大で今1番読まれている本として大ベストセラーとなった『勉強の哲学 来るべきバカのために』の著者であり、フランス現代思想・哲学を専門とし、ギャル男ファッションからセクシャリティまで幅広く語る哲学者である。今夜、39歳同学年のふたりが俳句、孤独、哲学、生と性を語り尽くすシリーズ2回目。この対談は、きっと読者の心のどこかを少し変える!【第1回はコチラ】

幽霊を困らす不眠の人の群れ(『時の瘡蓋』より)
■「孤独と絶望」について
――前回は各人の専門分野である「俳句」と「哲学」の相関と面白さを語っていただきましたが、次は、「孤独」や「絶望」をテーマに語っていただけますか?
千葉 なぜこのテーマなのか、文脈がわからないんだけど、我々は「孤独」に見えるんですかね(笑)。
北大路 (笑)。「絶望」してそうなんですかね。
千葉・北大路 全然、「絶望」してないんですけど。
――これは申し訳ございません。デカダンス的な雰囲気が漂っていたので……。
千葉 全然「孤独」でもないんじゃない? 僕も周りに人がいるけど、北大路さんの周りにも、人がたくさん集まっているじゃないですか。ところで、北大路さんが束ねていらっしゃる俳句グループの「屍派」というのは、俳句の流派なのですか?
北大路 まぁ、明治期の「白樺派」のもじりでやってるサークルみたいなものだよ。確かに、僕の周りにはいつも人がたくさん集まってくるね。みんなそれぞれ「孤独」を抱えているけど、集まっているから結果的に「群れている」ということになるね。でも、全員「孤独」だから協調性なんてないし、自由なわけ。だからとても贅沢な状況だと僕は思う。社会性が求められる今のこの世の中で、「孤独」を抱えていられるっていう人間の方が、贅沢なんですよ。でも、これは言いたい。社会から完全に関係を断たれた断絶と孤独は違うってこと。孤独は「積極的な態度」なのよ。自ら孤独になりたくて人は孤独を選ぶの。でも断絶は違うでしょ。
千葉 なるほど、断絶は社会の問題だけど、孤独はそうじゃないね。僕も、「孤独」は贅沢なものだと思う。個人的にも組織は好きじゃなくて、1人でいるのが好きですね。
■千葉「孤独になる技法」を身につける
――千葉さんが書かれた『勉強の哲学』では、同調圧力から自由になって、自分の興味を追求することが勉強のファーストステップだと書かれていましたが、同調圧力から抜け出すと「孤独」になるのではないでしょうか?
千葉 そうですけど、でも、人と付き合うなという話ではないですよ。「浮いて、孤独になる技法」がわかれば、光学迷彩を身に着けたように、あらゆる“ノリ”の中にスパイのように入り込めると言っている。そこがポイントです。つまり、勉強することで「孤独」であることと、「社交」の両立が可能になるということを主張しているんですよ。「孤独になる技法」を身につければ、誰とでも付き合えるようになる。だからやっぱり、孤独は贅沢なものなんだと思いますね。
北大路 「孤独になる技法」を具えれば、コミュニケーションは広がるし、どんどん人が増えていくってことですよね。僕自身もそうだと思う。僕は「孤独」を抱えているけど全然孤独じゃないからね。
千葉 “積極的孤独”という態度をとれば幸せだし、いろんな人と仲良くできるということですね。僕たち、40歳を目前にしてどんどん友達増えているからね。
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