カッセルでのオキュパイ・スクール Occupy School in Kassel “10000 years ago / 10000 years ahead”
カッセルのサテライト展示の来場者
では、展覧会に集まってくれたドイツ人たちは、縄文タトゥーをどう見たのか?
展覧会場であった美術大学HfGの生徒たちは、タトゥーへの興味から縄文時代にも豊かな文様文化が存在していたことを知って、「1万年前なんて、意識したことすらないほど古い」と驚きの声をあげていた。また、南スーダンの顔面スカーとも関連する社会的な視点からは、3.11以降の日本への危機感の現れが、縄文時代のタトゥーを自らの身体に引き受ける動機付けになっているのではないかという指摘もあった。
そして、さらにカッセルである。「参加することに意義がある」という言葉があるが、開かれた国際芸術祭ともいえるカッセル・ドクメンタにおいて、無謀ながらも『縄文族』のサテライト展示やオキュパイ・スクールを自主開催した。それでもほどよく来場者も集まり、カッセル最後の夜を楽しく過ごした。
ドイツは第二次大戦後、ナチスやホロコーストに対する重い責任を背負いながらも、社会的なアートという方向性を積極的に追い求めてきた。その成果のひとつが国際芸術祭ドクメンタなのである。そして、そこには新しいアートや表現を柔軟に許容する未来に通じるひとつの道筋があるということを実感できたのである。
■イベント情報
「大島直行×大島托×ケロッピー前田×東浩紀 「縄文時代にタトゥーはあったのか? ーーJOMON TRIBE @ゲンロンカフェ」
『魏志倭人伝』には、黥面文身(げいめんぶんしん)という記述で縄文時代に タトゥー(入墨)があったとされている。縄文時代にタトゥーは本当にあったのだろうか? タトゥーをキーワードに縄文人の世界観に迫る異色のトークイベントをゲンロンカフェで開催。人気の著書『月と蛇と縄文人』(寿郎社)や『縄文人の世界観』(国書刊行会)を通じ て、縄文人の世界観を“再生のシンボリズム”として提唱してきた考古学者・大島直行が、国内外で話題の縄文タトゥーの復興プロジェクト『縄文族 JOMON TRIBE』(大島托&ケロッピー前田)とともに登壇。縄文とタトゥーの結合に新たな可能性を指摘する東浩紀が加わり、「近年の縄文ブーム」「縄文とはどんな時代だったのか」「日本におけるタトゥー」、さらには「人類史におけるタトゥー」「最新の縄文研究」「新たな視点の日本文化 論」にまで、鋭く切り込む。他ではなかなか聞けない最も過激な縄文トーク炸裂! 会場では『縄文族 JOMON TRIBE』の作品も紹介される予定。
開催日 9月22日 (金)
会場 東京都西五反田1-11-9 司ビル6F
時間 19:00 – 21:30
前売券 1ドリンク付 ¥2,600 ※当日、友の会会員証/学生証提示で500円キャッシュバック
出演者 大島直行 大島托 ケロッピー前田 東浩紀
チケットはコチラ→http://peatix.com/event/289352
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