■アニオタたちの真摯な思いと熱量に泣きそうになる
クライマックスは夕方から始まる「らき☆すた神輿」の演御だ。この写真を撮影した一昨年は、不運にも雨天に祟られた。しかし、降りしきる激しい雨と担ぎ手たちの熱狂が混じり合い、ドラマチックな空気感が増幅。会場を満たすのはただ、歓喜、歓喜、そして、歓喜。
「かがみ! ピッピー 可愛い ピッピー」
「つかさ! ピッピー 可愛い ピッピー」
※「かがみ」と「つかさ」は、『らき☆すた』の人気キャラ。「ピッピー」は笛の音。
担ぎ手はキャラクター(「オレの嫁」)を讃え、声を合わせて神輿を担ぐ。そして、非日常的な異空間と化した鷲宮神社通り商店街を練り歩オタクたちの姿。陳腐な言いかたかもしれないが、そこには愛しかない。土砂降りの雨の中、担ぎ手たちの濡れたTシャツから立ち上る熱気が周囲の見物人たちをも巻き込んでいく。
商店街を練り歩いた『らき☆すた』神輿は、ゴールである神社の駐車スペースで大団円を迎える。鷲宮で出会った仲間たちと抱き合う者、握手をする者、担ぎ切ったことを讃え合う者。住む場所、年齢、仕事等々。属性も境遇も違う、ただただ『らき☆すた』へのピュアな愛で繋がったファンたちが1つになる。筆者はそのピュアな瞬間に感動し、まぶたの奥が熱くなることを禁じえなかった。
人を「リア充」と「非リア充」という二分法でカテゴライズをする悪しき風潮が世間に現れて久しい。そして、アニメファンゲームファンは非リア充だと断じる向きもある。
が、あえてこの二分法に乗っかる形で言わせていただきたい。
鷲宮に集まる『らき☆すた』ファンたちは明らかにリア充だ。1つのことにここまで熱くなれることに嫉妬さえ覚えた。祝祭を終えた参加者たちの表情を見ていて、心底そう思う。9月3日は土師祭に足を運び、『らき☆すた』ファンたちが生み出す渦の中に身を委ねてみてください。きっと、自分の中に何かが開かれる感覚を味わえるはずだから。しかも、今年はアニメ版の放映開始から10周年。例年とは違うサムシングが起きるかもしれない。
〓イベントインフォ〓
第35回土師祭
日時:2017年9月3日 13:00~22:00
場所:鷲宮神社通り
最寄り駅:東武伊勢崎線鷲宮駅(徒歩5分)、 JR宇都宮線東鷲宮駅(徒歩25分、当日は西口より臨時バスを運行予定)
URL:http://www.wasimiya.org/hajisai/
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