月面に”何千ものクマムシ”が生息の可能性!“不滅の最強生物”が月で超絶進化のワクワク…イスラエルの月探査機墜落で

 ベレシートに搭載された「Lunar Library」は、米国の起業家ノヴァ・スピヴァック氏の設立した「The Arch Mission Foundation」が製作した地球と人類の記録を記したアーカイブである。今回月に送られたのは、DVDほどの大きさの極薄のニッケルフィルムからなる25層のディスクで、3万冊の本、5千の言語に関する情報、動植物の写真と解説、人類の歴史など、多数の文書、写真、イラスト等のデータがアナログとデジタルの二種類で記録されている。アナログ形式では言語の教科書を含むデジタル情報を読みだすための解説が極微小サイズでディスクに印画されており、その情報を解析することで、デジタル形式のディスクからWikipediaの全データなどおよそ200GB分の情報を取り出せるということだ。

月面に何千ものクマムシが生息の可能性!不滅の最強生物が月で超絶進化のワクワク…イスラエルの月探査機墜落での画像3

画像は「The Arch Mission Foundation」より引用

 The Arch Mission Foundationによるアーカイブはすでに過去2度打ち上げられており、太陽や地球を周回する軌道上に乗せられている。ただし、DNAのような生体サンプルを入れたのは今回が初めてで、8月5日付のニュースサイト「Wired」の記事によると、納入の直前になってLunar Libraryにエポキシ樹脂の層を追加し、この中にスピヴァック氏自身のものも含む血液サンプルなどを封入し、さらに乾眠したクマムシをテープで貼り付けたという。

 ベレシートは墜落によって破壊されたが、Lunar Libraryは衝突の熱と衝撃に耐え、現在も月面に無事な状態で存在すると考えられている。研究者によれば、クマムシが今後も生き長らえる可能性は高いというが、復活させるためには空気と水が必要になる。

 なお、探査機の名「ベレシート」とはヘブライ語で「創世記(Genesis)」を意味する。月面で眠るクマムシたちは過酷な環境を生きて、いつの日か再び目覚めることになるのだろうか。もし人類が彼らを救助することができたなら、それは人類の宇宙進出という新たな時代を象徴する出来事になるかもしれない。また、人類の想像を超える進化を彼らが遂げる可能性もゼロではない。クマムシが月の先住民として文明を築く日がきたら…!?

参考:「Daily Mail」「The Times of Israel」「Wired」ほか

TOCANA編集部

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