「皮が伸びれば伸びるほど立派な男根」! ひたすら引っ張り、お金を詰め込み… 西日本に実在した“包皮信仰”とは!?
【日本奇習紀行シリーズ 西日本】
男性器を象ったご神体にまたがったり、集落を練り歩くことで子孫繁栄や五穀豊穣を願う各地の奇祭をはじめ、「男性器」に対する執拗なこだわりを感じさせる行事や習慣の類は、それこそ日本各地に存在していると言っても過言ではないが、こと、その対象が男性器の「男性器の包皮」ともなると、極めて珍しいものであるといえる。
「よその人からすれればおかしな話かもわからんけども、少なくともここいらじゃ、それが当たり前だったんだよな」
自身が生まれ育ったという西日本のとある地域に存在していたという、「包皮信仰」ともいうべき、実に奇妙な価値観と、それが生み出したであろう風習についてそう語りはじめたのは、現在も当地で暮らし、桃農家を営んでいるという有沢孫七さん(仮名・87)だ。
「あのね、今じゃそういうこともなくなってるけれどもね、私らがね、子供の頃には、物心ついた頃にはね、ナニの皮をね、朝な夕なに毎日せっせと引っ張ってね、伸ばすっていうのが当たり前だったわけ。そう、皮よ、皮。皮がね、伸びれば伸びるほど良しとされてたんだよ」
現代社会においては、いわゆる「コンプレックス商法」の典型的なターゲットにされがちな男性の「包茎」状態。しかしあろうことか当地においては、そうした価値観とは真逆に、包茎であることが好まれ、しかもその包皮が余れば余るほどに、「立派な男」であると認識されるという、実に珍しい価値観が確立されていたのだという。そのため、男児たちは物心つく頃になると、男親や年上の兄弟などに手ほどきを受ける形で包皮を引っ張り続け、やがて思春期を迎える頃には、立派な「包茎男子」になっていたのだそうだ。この「包皮が伸びれば一人前」だという特殊な感覚は、「一皮剥けた男」になるべくせっつく当世の美容整形業界からすれば、思わずポカンとさせられる内容であると言えるだろう。
「なにせ、余っている皮があまりないと、男同士で見比べたときなんかにからかわれるもんでね。みんなそれが嫌だから、友達に負けたくない一心で、ひたすら皮をつまんでは、引っ張り続けたもんだよ。そらね、朝な夕なに引っ張り続ければ、痛くなったり、腫れてきたりするよ? けどもね、男として認めてもらえるかどうかの瀬戸際だからね。そりゃあもう一生懸命にやったもんだよ」
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