【閲覧注意】女性100人拉致・暴行・屍姦・食人…伝記映画『テッド・バンディ』は人間のメンタルを徹底的に壊す危険作品！

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　まったく別の角度というのは、テッドを描く視点のこと。本作は、テッドが殺人鬼とは知らずに付き合ってきた長年の恋人の目線で描かれ、彼の知られざる姿が、恋人の見たまま映し出される。そのため、映画を観ている我々にも“素のテッド・バンディ”と出会い、 会話し、共感したかのような錯覚をおこさせるのだ。

　筆者も映画の途中、無罪を訴えるテッド・バンディを観て「あれ、この人って冤罪の人だったっけ？」と、自分の記憶が不安になってネットで確認し、反省した。やはりトンでもない凶悪犯だった。1974年2月から1978年2月までに少なくとも30人の女性 （100人以上の可能性も）を拉致、強姦、暴行、絞殺、屍姦。強姦中に噛み付いて一部食べ、死んだ後も死姦を好み、 食いちぎられた遺体で繰り返し性的行為をし、被害者の首を切断、頭部を家に持ち帰り、髪を洗い、化粧を施し、 その頭部を使って性的行為をするのも好きだったとある。

　いやいや、恐ろしい。本当に恐ろしい。テッド・バンディも、人の記憶すら翻弄するこの映画も。

　しかも、ディズニー映画のイメージが強いザック・エフロンが殺人鬼役ですよ。どんなヤバい演技をするのかと期待して観たら、まさかの「完璧すぎるザック・エフロン様」がまんま登場して、そのまま演技を続行する。もう、テッド・バンディのイメージなんて吹っ飛んでしまう。

　でも、これがテッドマニアの監督が辿り着いた、テッド・バンディの本当の姿だということは……。今、あなたの隣にいる、善人ヅラしたその人も殺人鬼の可能性ありということだ！　

　この恐ろしさは本編を観た人でないとわからないだろう。近年『ジョーカー』『ハンニバル』『ザ・バニシング』など二面性モノの映画が評価されがちだが、究極の二面性映画は『テッド・バンディ』で決まりだ。人間不信に陥ること間違いなし。

　あなたはこの映画を観ても、恋人を信じることができるだろうか。そしてこの映画の感想を恋人と本音で語り合うことができるだろうか――？　結婚を考えているなら、なおさら、この映画を一緒に見られるか試してほしい。ただし、メンタル弱い人は閲覧注意。

　ちなみに、70年代にこうした凶悪シリアルキラーが増加した理由として、彼らが第二次世界大戦中や直後に育っていることが指摘されている。「戦争でトラウマを受けた兵士が社会に戻り、父親になったこと」が原因のひとつだそうだ。それを踏まえると、2001年の9.11テロ事件や2008年の金融危機で痛手を負った人々の子供が生まれる頃…つまり2020～2030年前後にまたシリアルキラーが増える可能性があるという。

　今後出現するかもしれない未来のテッド・バンディに騙されないため、そして被害者を増やさないためにも…映画『テッド・バンディ』は必見といえる。
（文＝トカナ編集部・角由紀子）

映画『テッド・バンディ』
12月20日（金）より、TOHOシネマズ シャンテ他　全国ロードショー
配給：ファントム・フィルム
オフィシャルサイト：http://www.phantom-film.com/tedbundy/
(C)2018 Wicked Nevada,LLC

■あらすじ
「グレイテスト・ショーマン」のザック・エフロンが、30人以上の女性を惨殺した実在の殺人鬼を演じた犯罪ドラマ。1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。テッド役のエフロンのほか、リリー・コリンズ、ジョン・マルコビッチらが脇を固める。監督は、同じくテッド・バンディを題材としたNetflixオリジナルドキュメンタリーシリーズ「殺人鬼との対談　テッド・バンディの場合」を手がけたジョー・バリンジャー。

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