現代人がグロを渇望している最新潮流を解説!! コロナ禍も一因か、TikTokでも超刺激コンテンツが大ヒット「グロには感謝しかない」
「生きてる実感」が欲しい――。パンデミックやロックダウンが長引けば長引くほど、あいまいになった生と死の間でヒリヒリしたくなる。そのせいなのか、近ごろTikTokにアップされる陰惨な事件現場の動画が密かなブームだという。
■事件現場の特殊清掃会社のTikTokに注目が集まる
米「Spaulding Decon」社は、いわゆる事件・事故現場の特殊清掃会社だ。フロリダ州タンパを拠点に、全米で45の事業所を展開している。同社は以前、リアリティ番組を企画していたそうだが、残念ながら頓挫してしまった。そこで、自分たちの日頃の仕事ぶりを記録しようと、TikTokにアップすることを思いつく。昨夏から「@crimescenecleaning」というアカウントで、おびただしい数のクリーニング動画を公開しはじめた。だが、まさかここまでバズるとは想定外だったらしい。
Spaulding Decon社が請け負うのは、殺しや心中、薬品研究所事故、ゴミ屋敷の撤去、腐乱死体が横たわる孤独死の現場だ。投稿されたグロテスクな動画には、すでに420万人以上ものフォロワーと3230万もの「いいね!」がついている。
ホームページを見ると、「人生のアクシデントを清掃します。速やかに元の生活に戻れるようお手伝いします」とある。なんともキッパリしていて、心強い。こういう会社になら、他人に話せないようなアクシデントも、ぶっちゃけ相談できそうだ。
最も再生回数の多い動画の1つは、死後1カ月以上経過した男性の自宅が現場で、男性の腐敗した身体が「床を突き破って溶け始めた」というもの。遺体が発見された経緯は、アパートの下の階に住む若い女性から「天井からウジ虫が這ってきて、しかもすごく臭い」とクレームが出たためだという。
ほとんどの動画について、メンタルに不調がある人には絶対に視聴を勧めることはできない。
とはいえ、死臭漂う猟奇的現場を映してばかりいるわけではなく、「布やカーペットに付着した血の落とし方」といったライフハック動画もある。スプレーボトルに3パーセントのヒドロペルオキシドを入れてつけ置きし、血液を布地に染み込ませないようにして、掃除機で吸い取ると説明。怪我や鼻血で服が血で汚れたときなど、慌てずに処置できると人気を集めている。
また、同社にとっては不本意かもしれないが、これらヤバめな映像には、熱心なカルト的ファンも少なくないという。
「貴社の動画、大好きです。あなた方の力作には感謝しかありません」
「ブックマークしてるよ。みんな、ほんとは血がドバってヤツ、見たいはずなんだ!」
「やってくれるね! 『ディスカバリー・チャンネル』が、あなたたちを取り上げてくれることを期待してます。すごい楽しんでます」
など、病的に入れ込んだコメントも散見する。TikTokにはグラフィックコンテンツに関する厳しいガイドラインがある。しかし、Spaulding Decon社の主な目的が企業PRではなく、社会への啓蒙活動にあるので、例外になっているとのことだ。
TikTokで不幸な現場をパトロールして周り、「生きてるだけで丸儲け」と納得できたなら、今の時代、それだけで十分なのかもしれない。昨今は、グーグルでも過激な画像や動画が徹底的に検索結果から排除されつつあるが、それでも人々が衝撃的な画像や映像を求めてしまう潮流の背景には、生と死を実感する機会が少なくなり、漠然とした不安やストレスにあふれた現代社会があるのだろう。
参考:「Express」、「Spaulding Decon」、ほか
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