【凄い話】娘を殺された母親がたった1人で麻薬カルテルの犯人集団に復讐! 尾行、潜伏、追跡、衝撃の結末… 映画『レオン』を超える壮絶ストーリー!
今夜21時から放送される「クレイジー・ジャーニー」(TBS系列)では、トカナでもお馴染みの危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレス氏による中南米麻薬取材が取り上げられる。殺人事件の被害者が年間3万人を超えるメキシコで、なんとその元凶である麻薬密造工場に潜入しているというから注目だ。
ところで、警察や軍はもちろんのこと、政治家さえもあてにならないと言われるこの地で、自らの危険を顧みず、娘を殺した犯人を自力で探し当てたひとりの母親がいる。彼女の名は、当時20歳を迎えたばかりの娘を誘拐されたミリアム・ロドリゲスさん。身代金の要求に応じる形で麻薬カルテルのリーダー格と面会するも、二度と愛娘との再会を果たすことはできなかった。事件から数年の月日が流れ、牧場跡地で発見された大量の遺体のなかから娘のカレン・ロドリゲスさんの遺骨の一部が見つかったのだ。最愛の娘の死を知った母は「必ず犯人を見つけてみせる」と誓ったそう。ここからミリアムさんの復讐劇が始まる。情報化社会となって久しい現代で、彼女の大きな武器となったのはSNSだったという――。
※ こちらの記事は2020年12月16日の記事を再掲しています。
麻薬カルテルが暗躍し抗争を繰り広げるメキシコ。つい先日も中部ハリスコ州で113人が集団埋葬されているのが発見されており、銃撃事件や暗殺事件が多発する危険地帯となっている。一般市民もその犯罪に巻き込まれることが多いのだが、前国防長官が一部カルテルから賄賂をもらって便宜を図っていたという疑いがあるなど、警察や軍は当てにならない存在に成り下がっている現実がある。そんな中、娘を殺された1人の母親の行動が話題になっている。彼女は危険を顧みず、自らの手で愛する娘を殺害した犯人たちを1人ずつ探し当てたのである。
・Real-life Taken as mum hunts down 10 involved in daughter’s murder one by one (Daily Star)
メキシコでは犯罪組織による身代金目的の誘拐事件が多発しており、実に7万人もの人々が行方不明になっているという。当地の銀行には身代金支払いのためのローンが存在するというのだから、いかに誘拐が身近なものであるか、考えるだけでゾッとする話である。
2012年、タマウリパス州サンフェルナンドのカレン・ロドリゲスさん(当時20歳)が誘拐された。犯人グループは母ミリアム・ロドリゲスさんらの元に身代金を求める電話をかけてきて、家族はなんとかお金を工面し、カレンさんを無事に返して欲しいと懇願した。しかし、犯人たちは一向にカレンさんを返そうとはしなかった。ミリアムさんは麻薬カルテルのリーダー格と面会し、便宜を図ってくれるよう頼んだが、この男も金だけ受け取って連絡を絶ってしまった。
それから2年後の2014年、牧場跡地で見つかった大量の遺体の中から、カレンさんの遺骨の一部が見つかった。娘の死を知った母は、必ず犯人を見つけてみせると誓った。
ミリアムさんは経営していた小さなアパレルショップを畳み、犯人を追い詰めるためにあらゆる手段を尽くした。彼女の大きな武器となったのはSNSであった。犯罪者がSNSに自撮り画像を投稿することは珍しくない時代である。
最初の手がかりは、身代金要求時の電話から微かに聞こえた「サマ」という名前だった。ミリアムさんは「サマ」という名前をSNSで検索し、誘拐の協力者としてすでに判明していた男と一緒に写真に収まるサマという男を見つけた。ミリアムさんはサマと一緒に写っていた女性の服装から近くの街のアイスクリームショップを特定、その店を数週間張り込んで、ついにサマの居場所を特定した。
だが、それだけでは警察は動いてくれない。そこでミリアムさんは髪を切って赤く染め、世論調査員を装ってサマの周辺をさらに探った。そうして集めた証拠はついに警察を動かしたが、逮捕状が発行された時にはすでにサマは姿を消していた。だが、2014年の9月、ミリアムさんの息子がたまたまサマを発見、ついに逮捕へと至った。
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