飛行機内で死んだ乗客はどうなる? 「フライト中に死亡宣告はできない…」客室乗務員が最悪のシナリオを明かす
人生の最期にはぜひとも畳の上で安らかに死を迎えたいものだが、現実においてはいつどこで死に直面するかはわからない。もしも旅客機に搭乗中の空の上で絶命したらどうなるのか――。
もしフライト中に死んでしまったら?
自分はどこで死を迎えることになるのか? 特に超高齢社会においては誰もが無視できない懸案事項となるだろう。
死は人生の真実であり、我々全員がいつか直面する事態である。われわれのほとんどは晩年での安らかな死を願うことしかできないが、ますますアクティブな高齢者が増えている昨今、飛行機に乗っている時などに予期せずに死を迎える人もいる。そして、それは一般的に考えられている以上に起こっていることなのだ。
飛行中の機内で急病人が出た場合、「お客様のなかにお医者様はいらっしゃいませんか」という、いわゆる「ドクターコール」が機内でアナウンスされる光景を映画やドラマで目にしたり、あるいは実際に出くわしたという人もいるかもしれない。
機内には応急処置のための医療機器や医薬品がある程度は備わっていることに加えて、機長の判断によっては乗客を病院に運ぶために最寄りの空港へ緊急着陸するケースもないわけではない。
しかし機内で急死した場合、どうのような事態が想定できるのだろうか。
客室乗務員でTikTokユーザーの@danidboyy1は、旅客機で急死した場合について「飛行機で死んだらどうなるか知っていますか?」とショート動画でフォロワーに状況を説明している。
「幸いなことにこれは私が乗務員として働いていたフライトで一度も起こったことはありませんが、この悲しい状況に陥った友人が何人かいます」(@danidboyy1)
彼女は同僚からフライト中に乗客が死亡した話を何度か耳にしているのだった。
「客室乗務員は法的に誰かの死亡を宣告することはできないため、機長が飛行機を迂回させないと決定した場合、遺体は最終目的地に到着するまで機内にとどまります」(@danidboyy1)
余程のVIPではない限り、遺体は目的地まで運ばれることになるだろう。
「スペースがあれば遺体は空いている座席に寝かせたり、または別の部屋に移すことができます。でも機内が満席の場合、亡くなった乗客は目的地に到着するまで元の座席にとどまります」(@danidboyy1)
おそらく多くの場合、遺体は就寝中の乗客と同じ扱いになるということだろうか。
可能な限り遺体は丁重に扱われる
客室乗務員がこのような状況に備えた手順について話したのはこれが初めてではない。この話題について質問された別の客室乗務員は「Business Insider」に次のように語っている。
「私はおそらくその人に毛布をかけて、あまり見られないようにするでしょう。亡くなった人への尊厳と敬意を維持したいのです。(当人は亡くなった姿を)誰にも見られたくないでしょう。それは本当に悲しいことです」
これらの悲劇的な状況で何が起こるかについて、ある乗客は次のように説明している。
「フランクフルトからシンガポールへの11時間のフライトで、私の2列後ろに座っていた女性が、旅の最後の行程で息を引き取りました。遺体を座席の数席を使って横たえるために、隣の乗客は別の座席を割り当てられました」
座席に余裕があればやはり遺体は横に寝かされるようだ。この時の客室乗務員は寝かせた遺体をシーツで覆ったということだ。
法的にはフライト中の死亡は死亡宣告が保留された状態なのだが、可能な限り“仏さん”は丁重に扱われるようである。いずれにしてもフライト中の死亡はその後の対処において遺族にも大きな負担となるだろう。運命ばかりはどうすることもできないが、できれば空の旅の最中に死にたくはないものである。
参考:「LAD Bible」、「Business Insider」ほか
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