CIA右派デサンティス大統領誕生による日本への影響は? 台湾有事はほぼ確実、日本人が血を流す=ジェームズ斉藤

【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

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ロン・デサンティス(画像は「Getty Images」より)

ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ):フロリダのロン・デサンティス知事が正式に大統領候補になることを宣言しましたので、今日は大統領選挙についてお話ししましょう。

──いよいよ大統領選も本格的に動き出したということですね。

ジェームズ:そうですね。Twitterのスペースでイーロン・マスクと対談する形で出馬宣言をしたのですが、技術障害が起こって30分間音声が出なかったんです。それで民主党系のメディアに相当揶揄されてましたね(苦笑)。

──日本でもそういう報道が多かったですね(苦笑)。

ジェームズ:ただし、見るべきところはそんなところではなくて、イーロン・マスクがホストになった意味ですよ。そこを日本のメディアは全部、海外のメディアもほとんどが伝えていないので解説しないといけないと思ったのですが、イーロン・マスクがいるということはいわゆるCIA右派の人々がデサンティスに着いているということになりますね。さらにその意味するところは、デサンティスはトランプ派ではないということです。

──えーっ!! 違うんですか! いや、でも、トランプの意思は引き継いでいますよね?

ジェームズ:確かに「まともなトランプ」「エキセントリックではないトランプ」という言い方はできると思います。ですから、トランプ派の人々も支持しやすいでしょうが、彼のバックを見るとゴリゴリのブッシュ&チェイニー派の共和党員だということが見えてきます。

──ということは、デサンティスは軍産複合体の人たちなんですか?

ジェームズ:そうです。それは彼のひととなりを見ていけばわかります。デサンティスはフロリダのジャクソンビルという最大都市に生まれて、少年時代はリトルリーグで活躍し、ワールドカップにも出ています。イェール大学では野球のキャプテンを務めていますから、典型的なアメリカの若者の理想型といっていい人間です。また、イェール大学というのはブッシュ家が通うところで、パパブッシュもイェール大学の野球部出身です。

──もともとブッシュ家に覚えがいいと。そういえば、イェールには有名な秘密結社のスカル・アンド・ボーンズもありますね。

ジェームズ:パパ・ブッシュもブッシュJrもボーンズですが、私の共和党関係者に確認したところデサンティスも会員です。

──ボーンズなんですね!

ジェームズ:イェール卒業後はハーバード大学のロースクールで学んで弁護士資格を取り、そのあと海軍に入って法務将校になります。法務将校とは軍法会議などで裁判官や弁護士を務めるのが仕事ですが、配属されたのはなんと、あのグアンタナモ刑務所なんです。

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画像は「Getty Images」より

──キューバにある、テロリストを水責めで拷問して問題になった、あの悪名高い刑務所ですよね?

ジェームズ:そうです。彼がグアンタナモにいた時代って対テロ戦の真っ只中で思い切り拷問している時ですので、デサンティスもその拷問を見届けたひとりです。しかも拷問を法的に隠蔽するという業務を淡々とこなしたのです。ちなみにテロリストは戦時国際法下における捕虜ではありません。グアンタナモ刑務所はアメリカ国外なので治外法権の扱いになり、理論的には拷問等の虐待等は「やりたい放題」です。つまり、デサンティスの任務はこの様な戦争犯罪スレスレの行為に対して法的に整合性をとるという超ブラックな内容でした。

──ただのエリートに見えますが、えぐいところもあるんですね。

ジェームズ:ですから、デサンティスはただの法務将校ではありません。グアンタナモ刑務所所属の法務将校ということはインテリジェンスだったことをも意味します。彼自身がCIA右派のメンバーであり、米軍時代には既に有力者でもありました。つまり、彼は対テロ戦時代当時の大統領と直で繋がっていたCIA右派の大物です。

 その後除隊して下院議員になり、2018年にフロリダ州知事になります。この時の選挙キャンペーンでデサンティスは自分の子供にMAGA(Make America Great Again=トランプのスローガン)の絵本を見せて英語の読み書きを教えたり、積み木を並べて「こうやって壁を作るんだよ」とか言ってるんですよ(笑)。

──完全にトランプ支持ですね。

ジェームズ:フロリダの知事選挙の時にはトランプ支持を全面に出して圧勝で当選して、フロリダ知事になってからはLGBT法みたいなものを違法にするとか、コロナパンデミックの時にはマスクを一番最初に外した州もフロリダなんですね。ワクチンに対しても批判的で、あとはディズニーがかなり極左なのでディズニーランドの優遇措置を外したりしていま裁判したりしています。やっていることは全部ミニトランプみたいなことで、トランプとの差はなんなのかと突き詰めていくと裏にいるスポンサーなんです。実際、フロリダ州知事選でデサンティスを支えたのがブッシュの弟で前のフロリダの知事だったジェブ・ブッシュです。こうやって見ていくとわかるように、常に裏にいるのはブッシュ家です。

 そして、ブッシュ、チェイニーは最初から反トランプを表明してたんですよ。なのでデサンティスはトランプ主義を装いながら裏ではブッシュ、チェイニーにスポンサーされているということで、反トランプ派から送り込まれたトロイの木馬ではないかとトランプ陣営関係者の間では言われています。

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チャールズ・コーク(画像は「Getty Images」より)

──トランプ派を内側から壊す刺客だと。

ジェームズ:そうです。いまのデサンティスの権力構造を見ているとイーロン・マスクのようなCIA右派といわれる人たちがかなり彼のバックについています。代表的なのがコーク兄弟で、彼らは共和党の選挙の大スポンサーで、トランプも2016年の大統領選挙で認められたので当選することができたと言われるくらいの人たちです。そのコーク兄弟が今回デサンティス支持に回っています。もう一つ重要なマーサー家もデサンティスの支持に回っています。マーサー家は2016年の大統領選挙の時にスティーブ・バノンなんかの右派と組んでトランプをSNSで持ち上げる戦略を取ったんです。その時に使ったSNS対策の会社がケンブリッジ・アナリティカで、ここに出資した勢力がマーサー家です。

──ケンブリッジ・アナリティカってイギリスのブレグジットを画策した人たちじゃなかったでしたっけ?

ジェームズ:そうです。ブレグジットも画策しています。トランプが当選してからはマスコミに叩かれて解散していますが、重要なのはケンブリッジ・アナリティカに出資したのがマーサー家だったということで、大統領選挙で勝とうと思うと、こういった勢力が必要となってきます。

 もう一つ、私が衝撃だったのはデボス家がデサンティス支持に回ったことです。デボス家にはベッツィー・デボスという人物がいて、彼女はトランプ政権下で教育長官を務めた人なんです。その人がトランプを見捨ててデサンティス支持に回ったというのはとても象徴的だと思いますね。

──お金持ちたちがトランプを見限ったんですね。

ジェームズ:ベッツィー・デボスの弟はネイビー・シールズ出身で民間軍事会社ブラック・ウォーター創業者のエリック・プリンスです。エリック・プリンスはゴリゴリのCIA右派のドンで、バイデン政権も米軍が公式に関与できない任務を遂行する際に頼らざるを得ない程の人物です。ですから、彼女ももともとプリンスという名前だったんです。このプリンスという名前自体がエスタブリッシュメントなんですけど、考えてみれば(笑)。エリック・プリンスはオランダの貴族の流れを汲む人で、オランダの貴族というとルーズベルト家に繋がります。プリンスもベッツィー・デボスもビリオネアで、このデボス家までデサンティス支持に回っています。これは衝撃でした。トランプ政権で教育長官を務めた人がデサンティス支持ですから。

──では、いまトランプを支持している人たちは誰なんですか?

ジェームズ:エスタブリッシュメント以外の人たちです。そもそもトランプ政権というのはポピュリストとエスタブリッシュメントが入り混じった変な政権だったんです。マイケル・フリン将軍がナショナルセキュリティアドバイザーになって10日ぐらいでやめています。スティーブ・バノンも1カ月ぐらいでやめています。エスタブリッシュメントとポピュリストの権力争いが熾烈だった証拠で、いまの勢力図を見るとトランプ政権の中にいたデボスのようなエスタブリッシュメントは全部デサンティスにいって、トランプに残っているのはフリン将軍とかバノンなんかのポピュリストばかりです。

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ドナルド・トランプ(画像は「Getty Images」より)

──いわゆるQアノンの人たちばかりだと。

ジェームズ:トランプのもとにオールQアノンが集っていますね(苦笑)。これがアメリカの一般国民に支持されるかというと難しいものがあります。日本で言えば統一教会とか幸福の科学の信者の集まりレベルになってます。文鮮明や大川隆法が大統領選に出る感覚だと思えばわかると思います。

──つまり、カルトですか!?

ジェームズ:普通のアメリカ人から見ればまさにカルトなんです。ただし、トランプはもうダメかというとそうではありません。草の根レベルで票をかなり集めることができます。たとえば、インターネットの統計ではいまだにトランプのほうがデサンティスよりも人気があります。しかし、実際の選挙となると組織票が絡んできますので巨大スポンサーが鍵を握ります。

 デサンティスが勝って共和党の指名を受ければ、完全にブッシュ、チェイニーの思い通りで、バイデンと戦っても勝つ可能性は高まります。デサンティスVSバイデンとなるとどっちもエスタブリッシュメントになるので不正選挙をやる必要がなくなるんですよ。逆に不正のない真っ当な選挙が久々に行われる可能性が高くなります。

──バイデンVSデサンティスはどっちにしても軍産複合体勢力が勝つと。つまり、戦争をしたい人たちですね。

ジェームズ:戦争がしたいといってもアメリカが参戦するわけではなく、武器供与で儲ける人たちですから、ウクライナ戦争は長引きますし、台湾有事はほぼ確実に起こるでしょうね。そうなれば日本をどんどん強くする方向になるでしょう。武器を大量に買わされるでしょうし、台湾有事では日本人が血を流す方向になるはずです。

──日本を守るためならばわかりますが、アメリカが仕掛けた戦争で血を流すのはごめんですね。

ジェームズ:日米同盟がある限り、自衛隊は「米軍の日本人部隊」の扱いです。まさにいまのウクライナ人状態になるでしょうね。トランプが大統領になった場合は在日米軍や在韓米軍撤退の可能性も排除できなくなるので「米軍不在のアジア」になり、ますます台湾有事が起こる確率が高くなりますが。

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ロバート・F・ケネディ・ジュニア(画像は「Getty Images」より)

──結局、台湾有事は起こるんですね……。わかりました。あと、民主党のほうでJFKの甥っ子のロバート・F・ケネディ・ジュニアが民主党の大統領候補として出馬しましたが、なにか影響はありますか? あの人は民主党の中では共和党寄りで毛色が違いますよね?

ジェームズ:彼は民主党候補として勝つために出てるわけじゃないんです。彼はトランプの副大統領候補として出るためにやっているというのが関係者からの話でした。

──トランプの副大統領候補? どういうことですか? ケネディは民主党ですよ。

ジェームズ:どういうことかというと、ケネディ家の習わしとして民主党から出ないといけないんですよ。なので、民主党から出たんですけど、言ってることが反ワクチンとかですから民主党内部から叩かれまくって民主党から弾き出されて、そこでトランプに拾ってもらって副大統領候補としてトランプに寄り添うというのが彼の戦略です。ケネディ家なので最初から共和党から出るというのは一族の裏切りになるので、それはできない、ということです。

──家庭の事情だったんですね(苦笑)。だって言ってることはトランプ派だなと思ったんで。

ジェームズ:反ワクチンのサイトをずっと運営していますから、やっていることはMAGAです(笑)。

──アンソニー・ファウチ(アメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長=ワクチン政策を激烈に支援した)を叩いた本も書いてますよね。

ジェームズ:そうです。ですから、あれもケネディ家の生き残り戦略です。一家はゴリゴリの民主党でキャロライン・ケネディはエマニュエル大使と変わらないぐらい極左です。しかし、アメリカの将来を考えた場合、極左がすべてを支配できるのかというとそれは有り得なさそうなので、いずれは右に戻るだろうと。そうなった時にケネディ家が極左ばかりだと存亡の危機になるので両側に人を置いておくという戦略です。ロバート・F・ケネディ・ジュニア自身は本気でトランプ派なのかもしれませんが、ケネディ家としては生き残り戦略です。エスタブリッシュメントはそうやっていつも二股をかけますからね。

──ケネディ家の生き残り戦略だったんですね。いずれにせよ、トランプ大統領の目は低いんですね。ヘタすれば共和党の代表になれないかもしれないと。

ジェームズ:いや、何度も言いますが、それは言い切れません。先日、トランプ陣営の顧問と会いましたが、その人はトランプの宗教顧問という肩書で、こういう人たちにとってトランプはかなり人気を誇るので、草の根レベルではトランプのほうがいまの時点では人気が上です。これは事実なので、デサンティスも楽観視はしてないと思いますよ。

──ともかく、また揉めるんでしょうね(笑)。

ジェームズ:そこは間違いありません(笑)。そこで一番重要なのはデサンティスがトロイの木馬であることです。トランプ派ではないんですよ、彼は。装っているだけです、ということをしっかり理解した上で、大統領選挙を見ていくと見誤ることもないですし、相当楽しめますよ(笑)。

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ジェームズ斉藤(@JamesSaito33)
某シークレットセミナー教官。某国諜報機関関係者で、一切の情報が国家機密扱い。国際ニュース裏情報の専門家。ツイッターはこちら

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文=中村カタブツ君

元『紙のプロレス』編集者。現在は認知科学者である苫米地英人先生の出版関連業務に携わっている。
著書『極真外伝―極真空手もうひとつの闘い』(ぴいぷる社)
編集『苫米地博士の「知の教室」』(サイゾー)
編集・構成『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』(サイゾー)

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