「UFOは古代地球文明の機械」米議員が発言! 火星と地球の“初期の住民“が作った可能性をハーバード大教授が指摘

 UAP/UFO(※1)にまつわる議論がますます活発になっている。ある国会議員はUFOは隠された「古代地球文明」の装備である可能性があると発言している――。

UFOは謎の古代先進文明の遺物なのか

 アメリカ政府がUAP/UFOの存在を公式に認めてからというものの、政治家や議員の間でも活発に議論されるトピックになった。

 7月26日の下院監視委員会の「UAP公聴会」にはデイヴィッド・グルシュ氏、デビッド・フレーバー氏、ライアン・グレイブス氏が証言を行うことが予定されている。

 元米軍将校のデビッド・グルシュ氏はアメリカ当局はUFOとエイリアンの遺体を回収して分析していることを違法に隠蔽しているという“爆弾発言”を行っていることからもどのような証言が飛び出すのか注目される。

 一方、2023年6月27日にパット・マカフィー氏の番組「The Pat McAfee Show」に出演したマイク・ギャラガー下院議員は、UFOの起源の可能性についてさまざまな理論を立てた。元海兵隊員でもあるギャラガー氏は、未確認飛行物体(UFO)は地球に隠されていた謎の「古代文明」を表している可能性があると示唆している。

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マイク・ギャラガー氏 画像は「YouTube」より

「これは政府が透明性を保つ機会となるはずです。地球外生命体仮説やその他すべての仮説を否定する情報があれば、それは少なくとも政府が有能なことを行っており、国民に対して情報を機密解除するという前向きな姿勢を示していることになります」(マイク・ギャラガー氏)

 ギャラガー下院議員のこの発言は、メディアで大きく取り上げられたデイヴィッド・グルシュ氏とロス・クルサート氏のインタビューへの所見として行われた。

 グルシュ氏はアメリカ政府は宇宙人が存在する証拠を持っており、複数のUFOを保管していると主張している。それらのUFOは着陸したままの機体もあれば、墜落した事故機もあるという。

 隠蔽の期間について尋ねられたグルシュ氏は、ベニート・ムッソリーニ政権下の1933年にイタリアのマゼンタでUAPの最初の回収が行われたと述べている。同氏はバチカンがアメリカ側にそのことを知らせた1944年から1年後の1945年まで、イタリア政府は回収されたUFOを安全な空軍基地に運んで保管していたと説明した。

 番組に出演したギャラガー氏は、UFO目撃説について考えられる説明の1つは、エイリアンは実際には未来から来た人間であるという、同名の映画に由来するいわゆる「ターミネーター理論」であると示唆した。

 ギャラガーはさらに別の説を唱え「未来から来た私たちの代わりに、確かに古代文明がここに潜んでいて、突然その存在を明らかにしているのかもしれない」とも示唆している。

 同様の理論はイギリスの有名な宇宙飛行士の1人であるティム・ピーク氏によっても提唱されている。同氏は米軍が100回以上撮影したUFOは、人間か他の文明から来た宇宙人をタイムトラベルさせた可能性があると述べた。

 国際宇宙ステーションで6か月以上過ごしたイギリス人宇宙飛行士ティム・ピーク氏は、2022年6月の情報番組「Good Morning Britain」のインタビューでペンタゴンが機密解除した“本物のUFO動画”について質問されて見解を述べた。

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ティム・ピーク氏 画像は「Wikipedia」より

 ピーク氏は「パイロットが将来、タイムトラベルを開発した可能性について話しているのを聞いた。それは未来から戻ってきたものなのか?」と語った。彼はUFOが何であるかを正確には述べなかったが、UFO学者(UFOlogist)によって長い間議論されてきたいくつかの理論を共有した。

「これが国家や非国家組織が開発したものだとは全く思いません。動画で見るとかなりすごいと思います。これらのマシンの能力については、確かに並外れているように思えます」(ティム・ピーク氏)

 調査ジャーナリストのロス・クルサート氏はアメリカ国外には巨大なUFOが隠されており、当局はその位置を知っていると主張している。しかしそれらは考古学的発掘ではないかと推測する人もいる。つまり特定のUFOは過去の文明の遺物である可能性があるというのだ。

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ロス・クルサート氏 画像は「YouTube」より

あらゆる可能性を含んだ議論が続く

 ギャラガー下院議員の理論の背景には、これまで科学者たちは地球の地質学的記録から古代文明の痕跡を検出できる可能性を模索してきた経緯がある。

「The Silurian Hypothesis(シルル紀の仮説)」という2019年の論文では、産業文明の痕跡がどのように発見されるかについて議論されていて、化石や遺物が何百万年も生き残る可能性は低いが、化学組成の異常な変化が手がかりとなる可能性が指摘されている。

 科学者たちは地質学的異常を研究し、モデルを他の惑星に適用することで、遠い過去に文明が存在したかどうかを理解したいと考えているのだ。

 一方でNASA(アメリカ航空宇宙局)は地球外生命体に関する真実の追求に年月を費やしており、いかなる形であれ地球外に人間以外の生命が存在することを決して否定していない。ミクロなものからマクロなものまで、あらゆる形態で地球外に存在する人間以外の生命の存在が議論されているのだ。

 ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授は、地球と火星の両方に初期の文明があった可能性があり、これらの文明がUAPの起源である可能性があるという考えを表明している。

「火星や地球のような惑星は、10億年離れていてお互いを認識していなかった技術文明を複数回誕生させた可能性があります。安心できる親元にいるように、惑星は時間をかけてこれらの文明による環境への影響から回復しました。私たちは会う機会がなかった兄弟たちと時間の経過とともに離れ離れになってしまったので、彼らの存在に気づいていないのかもしれません」(アヴィ・ローブ氏)

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アヴィ・ローブ氏 画像は「YouTube」より

 ローブ氏は火星と地球の初期の住民によって作られたいくつかの先進的な装置は今でも太陽系の他の場所で動作している可能性があり、未確認航空現象の報告の一部を説明する可能性があると示唆した。

 元ペンタゴンの職員でUFO研究プロジェクトを主導していたルイス・エリゾンド氏はインタビューの中で、UFO/UAPに関連する墜落機の回収と資料について、アメリカ政府は珍しい資料を所有しているが、この問題については透明性が欠けていると指摘している。

 エリゾンド氏は我々の既知の技術が存在する前の先進的技術の痕跡を発見することの重要性を強調した。UFOが考古学的発見物であると考える者もいるのだ。

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画像は「Pixabay」より

 さらに興味深いことにかつて「エリア51」で勤務していたといわれているボブ・ラザー氏は、ジョー・ローガン氏のポッドキャスト番組で、考古学的発掘中に少なくとも1つのUFOが発見されて回収され、それが古代のものであるという話を聞いたことがあると述べている。

 物理学者、ジョン・E・ブランデンブルク氏の2015年の研究では、「シドニア仮説(Cydonian Hypothesis)」と「フェルミのパラドックス」を考慮して、かつて地球に似ていた火星の大気を破壊した大規模な熱核爆発について推測した。これらのアイデアは、太陽系における古代の高度な文明の可能性を探るものだ。

 今の我々の文明のはるか以前に地球や火星に高度な文明が栄えていたのだろうか。そしてその文明の産物がUFOなのか。あらゆる可能を含んだ議論は尽きないようである。

参考:「Howandwhys」ほか

(※1)UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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