エスカレーター事故の決定的瞬間3選! 子供の頭が挟まり、若者が転落し、母親が「食べられる」
2023年10月、エスカレーターに立ち止まって乗ることを義務付ける条例が名古屋市で施行された。同市はAIを利用して違反者を特定する実証実験を行い、実用化を目指すという。年々増加しているエスカレーター事故を防止する効果が期待される。
エスカレーター事故は全世界で起こっている。こうした事故の決定的瞬間を捉えた映像を海外の動画共有サイト「TheWorldWatch」からいくつか紹介しよう。
身を乗り出した子供が壁に挟まれる
中国河南省信陽市のショッピングモールで2022年7月に撮影された映像には、上りエスカレーターに乗っている母子の姿が映っている。母親がよそ見をしている間、子供がエスカレーターの手すりから身を乗り出す。次の瞬間、子供の頭がエスカレーターと壁の間に挟まってしまった。不自然な恰好で上昇し続ける子供の体が途中で引っかかった。母親が気づいて助けようとする。店員が慌ててエスカレーターを止めたが、子供は挟まったままだ。その後、救助隊が駆け付け、壁を破壊することで子供を救出した。この子供がどうなったのかは不明だ。
手すりに腰かけた若者が転落する
2022年3月27日には、ヨルダン・イルビドのショッピングセンターで、十代の若い男性がエスカレーターから転落する事故が起こった。監視カメラ映像に映っているのは下りエスカレーターだ。男性が手すりに腰かけて左足を上げると、そのまま後方に落下した。不運なことに通路の手すりに激突し、隙間からさらに下の階へと吸い込まれてしまった。仲間と思われる若者たちが慌てている。下の階の監視カメラ映像は、勢いよく落ちてきた男性が床に激突する瞬間を捉えた。男性は倒れたまま動かない。その場にいた2人は怯えて立ち去ろうとするのだった。地元の報道によると、男性の命に別状はなかったという。
「人食いエスカレーター」が母親の命を奪う
エスカレーター事故は、利用者の不適切な行動によって引き起こされるだけでなく、エスカレーター自体の欠陥が原因のケースもある。2015年7月26日に中国湖北省荊州市の百貨店で発生した事故は悲惨で、英紙『the Daily Mail』などでも報じられて世界中で話題となった。「人食いエスカレーター」として有名な事故だ。
監視カメラ映像には、上りエスカレーターに乗っている母子の姿が映っている。向柳娟さん(当時30)とその息子(当時2)だ。向さんが息子を抱きかかえ、エスカレーターからフロアへ進んだところ、足元の床が急に崩れてしまった。向さんは息子を逃すことに成功する。しかし、自らは体が穴にすっぽり入ってしまい、腕の力だけで抜け出すことはできない。女性店員2人が救出しようとするが間に合わず、向さんは完全に穴に飲み込まれてしまった。機械に挟まれた向さんは死亡した。
映像に映っていた女性店員2人は、エスカレーターのカバーが緩んで持ち上がっているのを発見したが、エスカレーターを停止しなかった。その結果、向さんがカバーを踏んだ際にカバーが反転し、エスカレーターの内部に転落する事故に発展した。事故を受けて、荊州市労働安全局が市内全域でエスカレーターなどの特別安全検査を実施することを発表した。
事故を起こしたのは「申龍」製エスカレーターだった。一部メディアの調査では、申龍が主要業務の7割を外部委託していたことや、湖北省支店が税務部門から行政処分を受けていたことなどが明らかにされた。杜撰な企業体質が引き起こした惨事だったとみられる。
2023年12月4日には、韓国ソウル中心部にある地下鉄の駅で、エスカレーターが逆走し、15人がケガをした。このような事故に遭遇したら不運だったと諦めるしかない。一方、不適切な行動のせいで引き起こされる事故は確実に防げる以上、エスカレーターを正しく利用することが大切だ。
参考:「中国新闻」、「ViralTab News」、「the Daily Mail」、ほか
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