性と暴力が渦巻くカルト「人民寺院」のカリスマ教祖、その狂気と破滅
信者たちはまず、子供たちにシアン化合物入りのジュースを飲ませたり注射したりして殺害した。18歳以下の犠牲者は267人にも上る。子供たちが死に絶えたあと、大人たちが続いた。彼らは粛々と列に並び、毒入りジュースを飲み干した。
この時の音声を記録したテープが残っている。「ファーザー」ことジョーンズはここでの暮らしは終わりを迎え、我々はじきに皆殺しにされると恐怖を煽り、これは革命的自殺であり別世界への旅立ちだと声を張り上げた。そして、子供たちから先に送ろうと信者たちに語りかけた。最初は大きかった信者たちの歓声や拍手、子供たちの泣き声は時間と共に徐々に小さくなっていき、最後の数分はBGMしか聞こえなくなる。皆、死んでしまったのだ。
当然だが、逃げようとする者たちも多数いた。背中を銃で撃たれたり毒物を注射されたりした遺体も多数見つかっている。ジャングルに逃げたり死んだふりをしたりして助かった者もいたが、その数は少ない。大人の手で毒殺された子供たちを含め、300人以上が他殺だったともいわれる。ジョーンズタウンの住人の9割が死に絶え、小さな町はおびただしい数の死体で埋め尽くされた。
ジョーンズ自身も妻子の死を見届けた後、致死量の薬物を摂取してから頭を銃で撃ち抜いた。別の町の教団本部でも信者4名が自殺しており、空港襲撃で殺害されたライアン議員らを含め、この事件の死亡者は最終的に918人にも上った。
教祖と信者の集団自殺によって、人民寺院は終焉を迎えた。彼らの開拓したジョーンズタウンも放棄され、1980年代には火事で大部分が焼失してしまった。そして、ジム・ジョーンズは稀代の大量殺人者として歴史に名を残した。
参考:「Murderpedia」、「Biography」、ほか
※当記事は2017年の記事を再掲しています。
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