【未解決】16年経っても身元不明…遺体で見つかった“正体不明の男”が残した謎

海岸で発見された男性の遺体の身元は今も特定されていない。彼はタイムトラベラーなのか、それともクォンタムジャンプしたパラレルワールドの住民なのか――。
■身元不明男性の奇妙なホテル滞在と不審死
2009年6月12日、アイルランドのスライゴにあるスライゴ・シティ・ホテルにやってきた男性は「ピーター・バーグマン」の名前でチェックインし、3日分の宿泊費を現金で支払い、自宅住所としてオーストリア・ウィーンの住所を記帳した。
身長は178センチほどの細身の体型で、短い灰色の髪、青い目、そして少し日焼けした彼は、50代後半か60代前半だと思われた。ホテルのスタッフによると彼は強いドイツ訛りの英語を話していたという。
外見からして出張中のビジネスマンであるように見えた男性だが、ホテルの監視カメラの映像では公共場所で頻繁に喫煙している姿が映っていた。

その後の3日間、彼は何らかの物品で満たされた薄紫色のトートバッグを持ってホテルを出て行くのが見られ、戻って来たときはいつも手ぶらであった。空になったバッグを折り畳んでポケットに入れているようだった。バッグに入れた物品を外出先で捨てていたようにも考えられるという。
バーグマンはまた、郵便局で航空便のステッカーが貼られた国際切手8枚を購入し、翌日にはタクシー運転手に泳げる静かなビーチを尋ねた。
運転手は人気ビーチのロスポイントに行くことを提案し、彼をそこまで車で送った。しばしビーチで過ごした後、指定した時刻に同じ運転手がバーグマンを迎えにやってきて、ホテル近くのバス停で彼を降ろした。
6月15日、バーグマン氏は午後1時頃にホテルをチェックアウトした。

しかしこの奇妙な一件はそれで終わらなかった。彼は黒いショルダーバッグ、薄紫色のトートバッグ、そして黒いスーツケースを持ってバス停に向かったのだが、チェックイン時に持っていたはずの黒いバッグを持っていなかった。
その後に入ったカフェでは彼はコーヒーとサンドイッチを片手に紙に何かを書いて数分間見つめた後、破り捨てる姿が見られた。
その日の午後、バーグマンは再びロスポイントのビーチを訪れた。報道によれば、バーグマンが服を着たまま靴を手にしてビーチに立っているのを16人が目撃したという。
午後10時50分、歩き回っているところを目撃され、ビーチで数人の地元民とすれ違い、挨拶を交わしたこともあった。
しかし6月16日の朝、地元の父親と息子が海岸で彼の遺体を発見した。遺体はTシャツと下着だけを着けていた。

5カ月に及ぶ捜査の後、警察はバーグマンの身元を特定できず、手がかりも見つけられなかった。記帳した名前は偽名であり、住所も存在していない番地であった。
検死が行われ、彼の健康状態が悪かったことが明らかになった。前立腺がんと骨腫瘍が進行しており、心臓には虚血性心疾患の既往歴があったことが判明した。しかしこうした症状を持っているにもかかわらず、体内には薬を服用していた痕跡はなかった。
肺に水はなく、抵抗や負傷の兆候もなかったことから、公式の死因は急性心停止と判定された。彼が海に入る直前に心臓が止まったと考えられている。
自殺の兆候がなかったのは意外というしかないが、完全犯罪的な自殺を画策したのであれば首尾よく功を奏したということなのかもしれない。3日間かけて各地で処分したのかもしれない彼の私物を回収することはまず不可能なのだろう。
事件から16年が経ったが、この男性は依然として身元不明でオーストリアとドイツで公の告知が行われているが、親族や友人知人も誰一人名乗り出ていない。あたかもタイムトラベラーかパラレルワールドから来たかのようなこの男性はまさに文字通りの“無縁仏”として埋葬されたのだった。
参考:「LADbible」ほか
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