カナダで発見された“島の中の湖の中の島の中の湖の中の島”にネット騒然

世界の辺境には、信じられないほど不可解で魅力的な謎が隠されている。そして今、インスタグラムの投稿(@mindset.therapy)でシェアされたある発見が、ソーシャルメディアユーザーたちを文字通り「頭痛」にさせているというから面白い。
その場所は、カナダ北部の遠隔地。なんと、「島の中の湖の中の島の中の湖の中の島」としては世界最大だというのだ。この説明を聞いて頭が混乱したとしても、それはあなたは一人ではない。インスタグラムのコメント欄には、「頭痛がする!」「脳みそがスクランブルエッグになった!」といった悲鳴にも似たコメントが殺到している。
まるでマトリョーシカ人形!その複雑な構造とは?
この地質学的なマトリョーシカの中心にあるのは、端から端までわずか300メートル強の、タツノオトシゴのような形をした小さな島だ。この小さな島は、さらに大きな別の島の大部分を占める名もなき小さな湖の中にたたずんでいる。そして、この「大きな別の島」は、世界で8番目に大きな島であるビクトリア島の海岸近くに位置する、全長約90キロメートルの湖の中に鎮座しているのだ。まさに、島 in 湖 in 島 in 湖 in 島、というわけである。




このような複雑な入れ子構造を持つ島は、地質学者の間では「再帰的な島(recursive island)」と呼ばれている。地理愛好家たちはかつて、この種の構造で最大なのは、フィリピンのルソン島にあるタール湖の中の火山島、そのクレーター湖の中にある島だと考えていた。しかし、綿密な衛星画像の分析により、このカナダの名もなき再帰的な島の方がかなり大きいことが明らかになった。
とはいえ、このエキサイティングな地理トリビアも、早口言葉のような説明に頭を悩ませた多くのソーシャルメディアユーザーには、あまり響かなかったようだ。「これを読んで文字通り頭痛がした」「読んでいるうちに脳卒中を起こしたかと思った」「脳みそがフリーズした」といったコメントが並ぶ。なんとか理解できたという人でさえ、「理解できたと思うけど、そのせいで脳の筋肉を痛めた気がする」と、その苦労を報告している。
なぜカナダに多い?氷河期が作った奇跡の地形
この「島の中の湖の中の島の中の湖の中の島」は、NASAのランドサット8号衛星によって撮影された画像でも確認できる。カナダの独特な地理的条件が、このような「再帰的な湖(島の中に湖があり、その中にまた島があるような構造)」を数多く生み出しているのだ。実際、カナダにはヒューロン湖のマニトゥーリン島(世界最大の湖の中の島)や、バフィン島のネティリング湖(世界最大の島の中の湖)も存在する。
この奇妙な再帰島は、極寒の北極圏という人里離れた場所にあるため、これまで誰も足を踏み入れたことがない可能性が高い。ビクトリア島(イヌイットの住民からはキトリネクと呼ばれる)は、アメリカのアイダホ州よりも大きいにもかかわらず、人口は2000人にも満たない。
NASA地球観測所によれば、カナダのほぼ全域は最終氷期に氷河で覆われていた。氷河が移動する際に、無数の水路を削り取り、氷河によって削り取られた粘土、砂、岩石の混合物である氷河堆積物でできた小さな丘を残していった。
カナダ地質調査所の地質学者ダニエル・カー博士はNASA地球観測所に対し、「この地域は約8000年前に氷がなくなりました。しかし、氷床の重みで土地が沈下し、北極海の海水が陸地に浸水したのです」と語っている。その結果、この地域には何百万もの小さな湖が点在し、その多くには島があり、さらにその島々には独自の入れ子になった湖や島が存在することになったのだ。
この「脳みそが痛くなる」島は、地球が作り出した奇跡の一つと言えるだろう。そして、まだまだ私たちの知らない驚くべき景色が、世界のどこかには眠っているに違いない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊カナダで発見された“島の中の湖の中の島の中の湖の中の島”にネット騒然のページです。カナダ、湖、島などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで