地球の自転が加速!この夏、3日間だけ「1日」がほんの少し短くなる

「1日は24時間」。これは私たちにとって、揺るぎない事実のように感じられる。しかし、宇宙のスケールで見れば、この常識は絶対ではない。実は地球の自転速度は常に変動しており、2020年以降、わずかに加速する傾向にあるという。そして今年の夏、特に3日間だけ、地球はいつもより少しだけ速く回転し、私たちの1日はごくわずかに短くなるかもしれない。
ミリ秒単位の攻防、揺れ動く地球の自転
地球が1周するのにかかる時間は、平均すると8万6400秒。これが「1日」の長さだ。だが、地震や火山の噴火、月の引力が引き起こす潮の満ち引き、さらには地球内部の動きなど、様々な要因によって自転速度は日々、ミリ秒(1000分の1秒)単位で変動している。
長い目で見れば、地球の自転は徐々に遅くなっている。恐竜が生きていた中生代の1日は約23時間だったし、はるか2億年後には1日が25時間になるとも予測されている。ところが、地球の自転を監視する国際機関(IERS)の観測によると、2020年頃からこの長期的な減速傾向に反して、地球の自転は加速に転じているのだ。
この奇妙な加速トレンドは2025年も続く見込みだ。専門家によると、特に月が地球の赤道から最も遠ざかるタイミングと重なる7月9日、7月22日、そして8月5日の3日間は、1日の長さが歴史的な平均値よりも顕著に短くなる可能性があるという。最も短くなると予測される8月5日には、平均より約1.51ミリ秒も短い1日となるかもしれない。

謎に包まれた加速と「負のうるう秒」の未来
なぜ地球の自転は加速しているのか。モスクワ大学の専門家、レオニード・ゾトフ氏も「誰も予想していなかった。大気や海洋のモデルだけでは、この大きな加速は説明できない」と語る。多くの科学者は、その答えは地球の内部、私たちの目に見えないコアの動きなどに隠されているのではないかと考えているが、真相はまだ謎に包まれている。
このまま加速が続けば、2029年には史上初めて「負のうるう秒」、つまり時刻合わせのために1秒を差し引くという調整が必要になる可能性も指摘されている(なお、「うるう秒」の仕組み自体は2035年までに廃止される予定だ)。
もちろん、この加速が永遠に続くわけではない。いずれ地球は、本来のゆっくりとした減速トレンドへと戻っていくだろう。私たちの日常に直接影響はない、ほんのわずかな時間の変化。しかしそれは、この惑星が絶えず変化し続ける、ダイナミックな天体であることの証でもある。宇宙において、唯一変わらないのは「すべてが変わり続ける」という事実だけなのかもしれない。
参考:Popular Mechanics、ほか
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2024.10.02 20:00心霊地球の自転が加速!この夏、3日間だけ「1日」がほんの少し短くなるのページです。地球、時間、自転などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで