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春子超常現象研究所

 退屈で面倒なだけの仕事に疲れてアパートへ。駅からの道すがらコンビニで買った安い発泡酒と乾き物の入ったレジ袋をテーブルに置く。夜のお供はテレビだけ。誰かの声が聞きたい。温もりがほしい……と思った矢先にオカルト事案発生! 突如として目の前のテレビがカワイコちゃん、あるいはイケメンに変身したら(頭はテレビのままだけど…)、あなたは恋をしますか?

『春子超常現象研究所』はテレビ男に初恋をしてしまった、少々ブッチギレた女子のファナティックでファンタジックなオカルティックラブストーリーだ。

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春子超常現象研究所


■『ムー』を愛読する不思議女子の恋の顛末

 十代の頃から超常現象に憧れた挙げ句の果てに、場末のサウナで受付のバイトをしながらアパートの自室で超常現象研究所を営む大月春子。愛読誌はもちろん、学研の『ムー』。

 ある夏の日のこと、クソくだらない番組ばかり垂れ流す白黒テレビに罵詈雑言を浴びせていたさなか、テレビが突然 “ブチ切れ” て、やさぐれたイケメンのテレビ男に変身するというリアル超常現象が発生。

 一夜を共にした春子はこともあろうに押しが強くてセックスもうまいテレビ男に初恋。ところが、よりによってこの男は典型的なだめんず。どうしようもないヒモ属性の持ち主だった。こうして、可愛くもエキセントリックなオカルト女子と穀潰しなテレビ男の奇妙な同棲生活が始まり、ジェットコースターばりに上下左右の振り幅の激しい人生へと転がり出す。

 畳み掛けるように繰り出されるキワキワで毒気の効いたセリフ。ポップでキッチュなゲスさ。トゥーマッチなテンション。小気味いい皮肉を随所にまぶしながら、四次元的な振り幅と巧妙かつ絶妙なテンポで、見る者をエンディングへと駆け抜けさせてくれる。熱量は高い。

 キャスティングは絶妙。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリ受賞したイケメン俳優の中村蒼、そして『non-no』専属モデルを経て女優としても活躍する野崎萌香の2人はもちろんのこと、小日向文世、池田鉄洋、青木さやか、斎藤工ほかの名バイプレイヤーたちが脇を固める。

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春子超常現象研究所

 監督は竹葉リサ。初恋の男を好きすぎて、挙げ句の果てに小指を奪取。それを元にクローン彼氏を作ってしまった少女の物語『さまよう小指』で一昨年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の最高賞にあたるオフシアター・コンペティション部門のグランプリとシネガー・アワードの2冠を受賞した新進気鋭の映像作家だ。

『春子超常現象研究所』もロッテルダム国際映画祭2015で絶賛されたのちモスクワ国際映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭でも上映。好評を博した。映画評論家、鈴村たけしが述べるように、「ツバをつけるならいまのうち、早いもの勝ちだよ!」なのである。とくに、Tocana読者の皆さまならなおさらに。


■1月30日から 愛知・青森で公開開始

 残念ながら、東京、大阪地区での上映はすでに終了しているが、1月30日より愛知県下のコスモシネマワールド5館にて、2月13日からは青森コスモシネマワールドで上映が始まる。異様に生暖かい年初から転じ、にわかに冬らしくなって目からハートな男女が街をにわかに沸き立たせるこの時期には、世界残酷物語系とか『ZERO:911.虚構の世界』のようなコンスピラシー系は一旦お休みして、体も心も温まる(?)竹葉ワールドに浸ってみるのも悪くない。

 加えて、脚本を元に新に書き下ろしたオカルト小説版も、双葉社文庫から刊行されている。見逃した方もそうでない方も、ぜひとも手にとってみてください。
(文=渡邊浩行/YAVAI-NIPPON)

■作品info
春子超常現象研究所
監督・脚本:竹葉リサ 
出演:中村蒼、野崎萌香、小日向文世、青木さやか、ブラザートム、高橋由美子、斎藤工、池田鉄洋ほか
上映劇場:中川コロナシネマワールド、小牧コロナシネマワールド、春日井コロナシネマワールド、半田コロナシネマワールド、安城コロナシネマワールド(※上記5館は1月30〜2月12日)、青森コロナシネマワールド(2月13日~2月19日)。


■監督プロフィール
竹葉リサ(たけばりさ)
1983年生まれ。2014年に監督・脚本を手がけた初の長編映画『さまよう小指』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014で最高賞とシネガーアワードを受賞。2作目の長編となった『春子超常現象研究所』はロッテルダム国際映画祭でも絶賛され、モスクワ国際映画祭でも上映された。奇想天外なストーリー、ポップでガーリーな演出が好評で、日本映画界の新たな奇才として注目を集めている。また、ミュージックビデオやTVCMの監督、作詞家としても活躍中。

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