現代芸術家・トモトシが「素っ頓狂」な現代美術展を開催中! 鑑賞者を標的にする“暴力的な”作品とは?
「人の心理って面白いものですね。自分が何らかのアクションを起こすと、それなりの反応が返ってきます。その中には本質的なものが含まれていることがあって、そこをさらに拡大していくと作品として成立するということがあります。これらは、『人間の心理』を逆さにとった作品とも言えます。『そうする』ことによって、『そうなんだ~』を思ってしまうんですよね。また、作品においては、監視カメラの目線で撮影することを心掛けています。そもそも監視カメラには、撮影者としての意図はありませんよね。被写体に対して『寄ったり』、『引いたり』という行為もありません。常に冷静で、すべてを公平に記録しています(笑)。その意味で監視カメラこそが、真のドキュメンタリーを撮っていると思います。実はこの展示空間は、”街中に仕掛けられた監視カメラが撮った映像を見るためのモニター室”なんですよ。監視ルームに見立てたインスタレーションです」(トモトシさん)
画廊の奥のルームにある写真作品も、これまた不可解なものだ。どれを観ていても「何だこれ?」、「誰なの、この人たち?」という気持ちになる。渋谷駅前にある忠犬ハチ公と並んで記念写真を撮っている人たちの写真がズラリと並んでいるのだ。とても、トモトシさんが撮ったものとは思えない!? 写真には、外人さんの姿もある。良く見ると、インスタグラムにアップされていた写真だということが分かる。
「これらは《photobomber_tomotosi》という作品です。目立つ赤い服を着て、ハチ公広場に合計100時間くらい滞在しました。作品にはハチ公と記念写真を撮ってインスタグラムにアップされた不特定多数の画像を使わせてもらっています。「#ハチ公」や「#hachiko」で検索するといっぱい出てくるんですよね。その中から、僕が写り込んでいる写真をピックアップしています。これはファウンド・フォトという手法の応用ですね。ファウンド・フォトというのは、身元不明の写真に新しくストーリーを付与して、まったく別の作品にするものを指しています。誰が、どのタイミングで写真を撮ったか分からないので、写り込んでいる僕はまったくポーズがとれていません(笑)。ここでも監視カメラ的な公平さを目論んでいます」(トモトシさん)
トモトシさんは、品川区にある「ゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校」の第一期生として、3年くらい前にアーティスト活動をスタートさせている。以降、継続的に都市の公共空間をテーマとした映像作品などを作っている。その手法はとてもユニークで、突然、街角に現れると、映像を撮り始める。今回展示されている作品は、「素っ頓狂」なものだが、本人はいたって真面目だ。
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