現代芸術家・トモトシが「素っ頓狂」な現代美術展を開催中! 鑑賞者を標的にする“暴力的な”作品とは?
実は、この画廊の道を挟んだその反対側には、セブンイレブンがある。コンビニが近くに並んでいるのは、そんなに珍しいものではない。しかし、1本の道を挟んだ形で“同じ店”が並んでいるというのは、まだ見たことがない。道行く人たちからすると、「どうしていいか分からない」ものとして映る。とてもユニークだ。
画廊のメインフロアに置かれているのは、10数点のモニターだ。そこには、新旧10以上の映像作品が映し出されている。そして、その奥にあるフロアには、複数の写真作品が展示されていて、ちょっと高い位置に置かれているモニターにも映像作品が映し出されている。
メインフロアに置かれたモニターが映し出している作品を順番に観ているうちに「何だこれ?」、「こんなんしていいの?」という気持ちになった。《隣人は今日も、ドアが叩かれるのを待っている》という作品は、トモトシさんが人手の足りなさそうなコンビニに入って、突然、ボランティアで働かせてもらうものだ。《赤のおじさん》では、トモトシさんが赤い服を着て、赤信号を前にして立ち止まっていた人たちを横断させてしまう。驚くなかれ、彼の手に握られているのは、緑のおばさんが握っている黄色い旗だ。そして、《逆パノプティコン》では、都内の公園に行って勝手に植樹をしてしまう……。画廊に来た人たちは、ただただ無言で作品を観ている。
「もちろん、これらは全部作品です。セブンイレブンなどのユニホームは、メルカリで買いました。ほとんどのコンビニは受け入れてくれなかったのですが、たまたま成功した3軒のドキュメントとなっています。以前コンビニで働いた経験があるので、ちゃんと戦力になっていたはずです。トイレも掃除しましたよ(笑)。友人にスマホで撮ってもらいました。赤信号を渡らせてしまう作品は、車がまったく来ていないのに信号待ちをしている人を誘導しています。旗を振られると『渡っていいんだ』と思ってしまうんですよね。もちろん安全は確保していますよ(笑)。植樹している作品は、小さいものから大きなものまで、数種類、日にちをおいて植えかえています。実はこれ、少しずつ大きくしているんですよ(笑)。でも、少しずつだと誰も気づかないんですよね。僕が植えた木に公園を管理している人が水撒きをしてくれているシーンもあります。ありがたいことです」(トモトシさん)
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2024.10.02 20:00心霊現代芸術家・トモトシが「素っ頓狂」な現代美術展を開催中! 鑑賞者を標的にする“暴力的な”作品とは?のページです。ゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校、トモトシ、中央本線画廊、個展などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで