現代芸術家・トモトシが「素っ頓狂」な現代美術展を開催中! 鑑賞者を標的にする“暴力的な”作品とは?

現代芸術家・トモトシが「素っ頓狂」な現代美術展を開催中! 鑑賞者を標的にする暴力的な作品とは?の画像4撮影=酒井透

「アートを目的としてアートをやり出したら、アートでなくなってしまうと思うんですよね。アートは、予定調和では作れないし、意外性が必要です。だからアート作品を作るときは、逆説的になるのですが、常にアートから外れていくようにしないといけないと思っているんです。でも、自分の作品をどのように呼ぶかは難しいですね。メディアアートと呼ばれるようなものではないでしょうし、何なんでしょうね、これ? こんなことが、新しいアートの形になるといいんですけど。自分は、まだ誰もやったことのないことをやりたいと思っています。海外でも展示したいですけど、それにはまた、ちょっと形を変えないといけないですよね~」(トモトシさん)

 一つ一つの映像作品を観ていて思ったことがある。トモトシさんの作品には、「何だこれ?」といったものが“ある”。だが、それでは済まされないものも“ある”。良く考えてみよう。トモトシさんがやっていることは、誰から見ても不可解だ。不可解であるがゆえに、無意識のうちにもそれを理解しようとして、その場に数秒間留まってしまう。実は、これが危険なのだ。

 トモトシさんが狙っているのは、「そこ」だ。彼は、人が“近くにいる”ことを狙っている。“近くにいる”ことで、 作品に登場してもらえるのだ。本人は、出演者なので撮影はしていないが、どこかにいる“誰かさん”がスマホで撮っている。カメラを隠していないので「隠し撮り」にはならないが、“近くにいる”人たちは、確実にカメラに捕捉されている。そして、最終的に作品の一部を形成することになる。もちろん、インスタグラムも“標的”となる。ときには、カメラを乗せた三脚が見えざる場所に立てられていることもある。

 おそらく、誰もトモトシさんの友人のカメラに“映り込んでしまう”ことは、望んでいないだろうし、“作品に登場する”ことも考えていないだろう。トモトシさんは、いくつかの作品をネットでも“公開”している。一見、大人しく見えるトモトシさんだが、実は、見えざるところに“暴力性”を持っているのだ。みんなも、この作家に狙われないようにした方がいいかも知れない(笑)!!


会場:中央本線画廊(東京都杉並区上荻4丁目6-6)
延長会期:7月6日(金)、7日(土)、8日(日)
開廊:金18:00-21:30、土日13:00-21:30


●6日(金)、7日(土)にトークショーの開催も決定!

【第一弾】
東京における公共を考えるプロジェクト『東京の条件』などの活動を行う劇作家の岸井大輔さんをお招きし、トモトシ個展『tttv』への講評と作家とのトークを行います。
『岸井大輔とトモトシトーク』
日時:7月6日(金)19~21時
参加費無料(飲食代有料)


【第二弾】
ドンキホーテ論が話題を呼んだゲンロン批評再生塾3期の谷頭和希さんをゲストに、中央本線画廊運営の秋山佑太と共に都市の表現にまつわる座談会を行います。
『トモトシはドンペンなのか?』
日時:7月7日(土)19~21時
参加費無料(飲食代有料)

企画協力:秋山佑太、小林太陽

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

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