【機密解除】CIAは“無意識の暗殺者”を作ろうとしていた — MKウルトラ前夜「アーティチョーク計画」の全貌

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 冷戦時代の闇の1つである極秘の洗脳実験「MKウルトラ」には過激な序章があった――。新たに機密解除されたCIA文書で薬物実験を行って人心を操作するための技術開発「アーティチョーク計画」の存在が明らかになっている。

■人心操作技術開発「アーティチョーク計画」とは

 アーティチョークとは地中海沿岸原産のキク科の多年草であるチョウセンアザミのことであるが、CIAでは隠語として別の意味を持っていた――。

 昨年に機密が解かれCIAの閲覧室に追加されたこの報告書は、1951年から1956年まで実行されていた行動制御、尋問技術、心理操作に焦点を当てた「アーティチョーク計画(Project Artichoke)」の詳細が言及されている。

 アーティチョーク計画は、共産主義勢力に対する強い不安と、朝鮮戦争でアメリカ人捕虜に洗脳技術が使われたとの報告が相次いだ冷戦初期に発足した。

「アーティチョーク計画に関する特別研究」と題された7ページの文書には、「アーティチョーク計画に関連する特別研究の提案分野」という添付資料があり、人間の行動を変えることができる化学物質の開発に関する詳細が示されている。

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画像は「Daily Mail Online」より

 自白剤のような即効性を持つ薬物と、食べ物、水、アルコール、タバコなどを通じて投与される長期的な影響を持つ薬物の両方について論じられており、研究者らはそのような物質をワクチン接種や注射などの医療処置に紛れこませる可能性も示唆している。

 CIAは化学薬品以外の方法も検討しており、尋問や行動制御のために催眠術、感覚遮断、ガス、そのほかの心理学的方法を挙げていた。

 アーティチョーク計画は、後に精神改変実験をより大規模に展開することになるCIAの悪名高い洗脳実験「MKウルトラ」の先駆けとなった。その多くのファイルは1970年代に破壊され、研究の全容とそれがどの程度進歩したかは不明のままである。

 CIAの内部メモにはアメリカの諜報機関が敵国(ソ連)が人間の思考や行動を制御する方法を開発したことを懸念していることが示唆されており、急務の課題としてアーティチョーク計画が発足したのだ。

 この秘密プログラムに関わった研究者らは、長期にわたる化合物は「興奮作用(不安、神経質、緊張感など)または抑うつ作用(落胆感、絶望感、無気力感など)」を生み出す能力があるはずだと主張している。

 彼らはまた「食品、水、コカコーラ、ビール、酒、タバコなど」に密かに混入できる物質など、隠蔽のための実際的な手法についても概説し、CIAは検知されない影響力行使の方法に重点を置いていることを力説している。

 アーティチョーク計画は薬物以外にも、幅広い心理学的ツールを研究した。

 文書の一部では「催眠術、心理的テクニック、ガス、エアロゾル、酸素欠乏」などが議論されており、CIAが化学的、環境的、精神的なアプローチを組み合わせようとしていたことがわかる。

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 研究者たちはこのような方法により、個人が自分の行動を意識的に認識することなく、自分の意志に反する行動(犯罪行為の可能性も含む)に促される可能性があるのかを検証したが、結果的には疑問視のほうが多かったようでもある。

 アーティチョーク計画による人体実験には、囚人、軍人、精神病患者など、通常はインフォームドコンセントが必要ない脆弱な被験者が参加することが多かったとみられる。

 1954年のCIA文書ではアーティチョーク計画の主目的が、ある人物を無意識のうちに暗殺未遂行為に導けるかどうかを検証することであったことが記されている。

 ご存知のように今も謎に包まれている「JFK暗殺事件」だが、陰謀論の1つでは犯人のリー・ハーヴェイ・オズワルドは洗脳されていたとする説がある。そのような噂がつきまとうのも、このアーティチョーク計画やそれに続く「MKウルトラ」の存在があるからこそだろう。冷戦時代の闇の1つである極秘の人体実験と洗脳実験について、場合によっては責任の所在を明確にする必要があるのかもしれない。

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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