全世界の氷河が融け尽くせば海面32cm上昇 —— AIが解明した「氷の総量15万立方キロ」の衝撃

南極やグリーンランドの巨大氷床を除いても、地球にはまだ人類の想像を超える量の氷が眠っている。ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学の研究チームが、AIモデルを用いてその全貌を初めて解明した。
試算によれば、世界中の氷河に閉じ込められた氷の総量はおよそ15万立方キロメートル。すべて融解し海に流れ込めば、世界の海面は32.3センチメートルも押し上げられるという。
AIモデル「IceBoost v2.0」が解き明かした氷の正体
氷河の正確な体積を知ることは、温暖化への応答を予測するうえで欠かせない情報だ。だが、世界中に散らばる無数の氷河をすべて実測するのは事実上不可能に近い。
そこで研究チームが開発したのが「IceBoost v2.0」というAIモデルだ。世界各地で集めた700万件以上の氷厚データを学習させ、傾斜や氷の流動速度、気温など26の要因を組み合わせて解析した。
このモデルを氷河カタログ「Randolph Glacier Inventory」に適用したところ、従来手法より最大40%高い精度で実測値と一致したという。一例として、グリーンランド東部のガイキー高原では従来推定の約2倍の氷が存在し、厚さは最大2キロメートルに達することが判明した。

アルプス、アンデス、ヒマラヤ——中緯度の氷河は「数十年」で消える
アルプス、アンデス、ヒマラヤといった中緯度の山岳氷河は近年、気温上昇により雪の補給が追いつかないほどの速さで縮小しているという。
研究に携わったニッコロ・マッフェッツォーリ氏は、こうした中緯度の氷河が今後数十年のうちに消滅する可能性があるとして、対策を急ぐ必要性を訴えている。
世界の平均海面は1999年以降、年間3.64ミリメートルのペースで上昇を続け、過去26年間で合計9.38センチメートル上昇した。内訳は海水の熱膨張が約30%、氷河・氷床の融解が約70%。2012年以降はこの上昇率がさらに加速し、年間4.1ミリメートルに達しているとの衛星データもある。
海に沈む街と、涸れる水源——気候変動という「眠れる巨人」
氷河の縮小は、海面上昇だけでなく世界の淡水資源にも影を落とす。世界ではおよそ19億人が氷河を水源とする生活を送っており、氷河が消えれば河川や農業、地域社会への水供給に深刻な影響が出るとされる。当初は融解水が一時的に増えるものの、氷河が縮小しきった後にはより深刻な水不足に直面する地域も出てくるという。
海面上昇の影響は、遠い未来だけの話でもない。英気象庁とブリストル大学の研究チームが先月発表した調査では、2300年までに英国で170万戸以上の住宅が浸水リスクにさらされ、一部地域が居住不可能になる可能性が指摘された。特にウォッシュ湾やハンバー河口域は、将来の沿岸洪水の「ホットスポット」になるという。
同研究の筆頭著者を務めたブリストル大学のマット・パーマー教授は、海洋や氷に覆われた地域は温暖化への反応が非常に遅く、これが海面上昇を気候変動の「眠れる巨人」にしていると指摘。この巨人はひとたび目覚めれば、今後何世紀にもわたってその変化が「固定化」されてしまうとの見解を示している。
AIが弾き出した「15万立方キロ」という数字は、まだ研究者たちの間でシミュレーションのための土台に過ぎない。だが、氷河という目に見える氷の塊が静かに姿を消していく先で、遠い未来の海岸線や水源が書き換えられていく様子は、想像するだけで薄ら寒いものがある。
眠れる巨人が完全に目を覚ます前に、人類はどれだけのことができるだろうか。
参考:Daily Mail、ほか
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2024.10.02 20:00心霊全世界の氷河が融け尽くせば海面32cm上昇 —— AIが解明した「氷の総量15万立方キロ」の衝撃のページです。氷河、海面上昇、グリーンランドなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
