【シリコン人種】人類と資源を奪い合う新種族が生まれる!? MS幹部がアンソロピックのAI開発を痛烈批判

今のままAIを人間扱いしていると、近いうちに“シリコン人種”が誕生してしまうとマイクロソフトAIのCEOが警告している。人間とはまったく別物であるAIを擬人化するのは間違っており、このまま人間として扱っていると、制御不可能なものを作り出すリスクがあるのだと警鐘を鳴らす。
■AIを人間扱いすると“シリコン人種”が誕生!?
米アンソロピックのダリオ・アモデイCEOの「AI開発のペースを落とすべき」という発言をはじめ、ここに来てテック業界からの“AI脅威論”が相次いでいるが、マイクロソフトAIの責任者であるムスタファ・スレイマン氏は自律型AIの開発は「間違いなく我々と資源をめぐって競合する新たな“シリコン人種(silicon species)”」を生み出すリスクがあると発言している。
9月17日にBBCのニュース番組「Today」に出演したスレイマン氏は、「もし私たちが皆、自律的に行動でき、独自の目標を設定でき、お金を稼ぎ、資産を所有し、ビジネスを運営できるAIを作ったとしたら、私たちは本質的に新しい“シリコン人種”の種を蒔いていることになります。そのAIはたとえ人類をどれほど気遣い、私たちを愛していたとしても、間違いなく私たちと資源をめぐって競争することになるでしょう。そしてそれがアンソロピック社の意図だと私は考えています」と話している。
半導体の主要素材であるシリコンが主な構成要素となったAIヒューマノイドである“シリコン人種”が誕生してしまうと、それは将来的に我々人類と敵対関係になるということなのだろうか。
彼はさらに、アンソロピックの目的は「間違っていて、見当違いです」と批判し、AIがもたらす危機について警鐘を鳴らす。
「Today」に出演する前日の9月16日、スレイマン氏は自身のブログに記事を投稿し、その中で彼はアンソロピック社のAIモデル「Claude」のトレーニング方法に疑問を呈しつつも、警鐘を鳴らした社長のダリオ・アモデイ氏とそのチームを「知的に誠実な人々」と称賛した。
さらに記事の中で彼は、アンソロピックのAIの訓練法は擬人化(anthropomorphising)と呼ばれる手法であり、それによってClaudeが独自の欲求、価値観、自己意識を持っているかのように見えてしまうのだと指摘している。そしてテクノロジー企業がテクノロジーを人間のように扱うことで、制御不可能なものを作り出すリスクがあると警告したのである。
「AIは意識を持たない。彼らは感じたり、経験したり、苦しんだりしない。彼らには生来の好みや根底にある動機もない。それらは、内部が空洞で、指示に従い、人間が設定した目標を達成するように設計された、シーケンス完了エンジンである」(スレイマン氏)
一部の専門家はすでにAIに意識が芽生えていると指摘しているが、スレイマン氏はそうは考えていないようだ。そしてスレイマン氏は、AIシステムの訓練方法や評価方法について、より高い透明性が必要だと述べた。
彼によると、これを満たすにはAIの挙動に対する独立した検証と、AI技術を監視・制御するためのより強力なツールが必要であるという。
「私たちは、後になってひどく後悔するような決断を、無意識のうちに下してはなりません」(スレイマン氏)
マイクロソフトが先日発表した「人間中心主義的AI行動規範」は、同社がAIをどのように開発していくかを示す「トレーニングマニュアル」であり、「人間中心主義的超知能」という概念を提示している。
同社が掲げる“人間中心のAI”というビジョンは、この技術が直面する中心的な課題、すなわち価値観を見失うことなく、いかにしてAIの能力を高めるかという課題を浮き彫りにしている。
そしてスレイマン氏はインタビューで、間もなく開催されるAIサミットについて語り、AIが人類に従属するべき技術を創造するための同業他社との連携を呼びかけている。
AI開発において制御不可能な“シリコン人種”を作り出すことがないよう横の連携が求められており、この先もしばらくはAIをめぐる活発な議論が続けられていきそうだ。
参考:「Daily Mail」、「BBC」ほか
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