ベッドから落ちて”穴”を抜けてきた!? 2歳の少年が語った前世の記憶と精神科医が確かめた驚愕の一致

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 幼い子どもが突拍子もないことを言い出すのは、どの家庭にもある風景だろう。だが、その「作り話」に出てくる家や風景が、行ったこともない土地に実在していたとしたら、親はどう受け止めればいいのか。

 スコットランド・グラスゴーに暮らしていたキャメロン・マコーレー君が2歳のころから語り始めたのは、家族の誰も知らない島での生活の記憶だった。母親は当初、子どもの空想だと考えていた。だが彼が口にする地名も家の様子も、次々と現実と噛み合っていく。

「僕はバラ島の子」2歳児が語り出した見知らぬ島の暮らし

 2000年生まれのキャメロン君は、グラスゴー市内のテラスハウスが並ぶ通りで家族と暮らしていた。海も浜辺も、そこにはない。

 ところが2歳になったころから、彼は自分を「バラ島の子」だと言い始める。バラ島はスコットランド北西部の外ヘブリディーズ諸島に浮かぶ小さな島で、グラスゴーからの距離は220マイル(約354km)。マコーレー家は一度も訪れたことがなかった。

「前の家」の描写は具体的だった。浜辺を見渡せる白い平屋。窓の外では3人の兄と姉たちが遊んでいた。お気に入りの場所は浜辺で、そこには自分の犬を連れて行ったという。そして、飛行機が浜辺に降りてきた、とも語っていた。

 前の父親の名前まで挙がった。シェーン・ロバートソン。さらに家族を不安にさせたのは、「家に帰りたい」と繰り返し訴えるようになったことだ。保育園には「バラ島のお母さん」に迎えに来てほしいと言い、実の母ノーマさんではなく、会ったこともない女性を待った。

 ではなぜグラスゴーにいるのか。キャメロン君は、バラ島で4歳のときにベッドから落ち、「穴」を通り抜けてこの家族のところへ来たのだと説明した。ノーマさんは、息子に何を言えばいいのか分からなかったと当時を振り返っている。

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画像は「UNILAD」より

精神科医とともに島へ渡ると、条件に合う白い平屋が実在した

 やがてこのケースは、2006年に放送されたドキュメンタリー「The Boy Who Lived Before(前世を生きた少年)」で扱われることになる。取材の過程でノーマさんが助言を求めたのが、米バージニア大学医学部の児童精神科医ジム・タッカー博士だった。同大にはイアン・スティーヴンソン博士以来、子どもが語る「前世の記憶」を半世紀以上収集・検証してきた研究部門がある。

 タッカー博士はスコットランドへ渡ってキャメロン君に会い、島でどんな反応を示すかを確かめるため家族のバラ島行きにも同行した。

 そして飛行機は浜辺に着陸した。バラ島の空港は潮の満ち引きに合わせて砂浜をそのまま滑走路として使う、世界でも稀有な空港だ。降り立ったキャメロン君は母に、戻ってこられて嬉しいと伝えたという。

 一家は地元の郷土史家と面会し、浜辺に建つ白い平屋が特定された。1960年代から1970年代にかけて、ロバートソン姓の家族が暮らしていた家だ。周囲の風景も、キャメロン君が島を訪れる前に語っていた描写とおおむね一致していたという。

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画像は「UNILAD」より

「シェーン」だけが見つからない

 系図研究家がロバートソン家の縁者をたどり、キャメロン君はギリーという女性と対面した。彼女は、近所の家の飼っていた牧羊犬がよくこの土地に来ていたことを認めている。キャメロン君が語っていた「浜辺に連れて行った犬」と確かに重なる。

 だが決定的な一点が埋まらなかった。ギリー氏には、シェーンという名の男性に心当たりがなかった。キャメロン君が「前の父」として挙げた人物は、少なくともこの聞き取りでは確認できていない。

 タッカー博士は、キャメロン君が別の人生でこの島に存在していた記憶や感情を、何らかの形で引き継いだ可能性があるとの見解を示している。ただし断定はしていない。

 懐疑的に見るなら、指摘できる点もある。ロバートソンはスコットランドで最もありふれた姓のひとつだ。海を望む白い平屋はヘブリディーズ諸島に珍しくなく、牧羊犬が農地をうろつく光景も島の日常だ。幼児期にテレビや写真で得た断片を自分の記憶だと思い込む「記憶錯誤」の可能性も否定できない。

 それでも、2歳の子どもがなぜ「バラ島」という固有名詞を、砂浜に降りる飛行機ごと言い当てられたのか。その一点だけは、いまも合理的な説明の網からこぼれ落ちたままだ。ベッドから落ちて「穴」を抜けてきた——本人が語ったその通り道が、どこかに本当に開いていたのだとしたら。

参考:UNILAD、ほか

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