人は死の間際、亡き人の夢を見る? 緩和ケア専門家239人の報告で判明。ただし10件に1件は苦痛を伴うものだった……

人は死の間際、いったい何を見ているのか。この問いに、看取りの現場に立ち続けてきた239人の専門家が具体的な答えを出した。
イタリアの研究チームが医師・看護師・心理士・ホスピスボランティアから集めた証言によれば、終末期の患者が語る夢や幻視には、驚くほど共通したパターンがあるという。
亡くなった家族との再会、光に満ちた開いた扉、浜辺を駆ける白い馬。そして、およそ10件に1件は、決して心地よいとは言えない内容だった。
最も多く報告されたのは、亡き人との「再会」だった
調査を実施したのは、イタリア北部レッジョ・エミリアの公的医療研究機関Azienda USL–IRCCS di Reggio Emiliaのチーム。成果は学術誌「Death Studies」に掲載された。
対象となったのは、終末期の患者が体験する夢や幻視だ。研究の世界では「end-of-life dreams and visions(ELDVs)」と呼ばれ、眠っている間だけでなく、覚醒した状態で体験されるケースも含まれる。
239人の専門家から寄せられた報告のうち、最も多かったテーマは「すでに亡くなった大切な人との再会」だった。先に逝った配偶者、親、親戚。中には、かつて飼っていたペットが姿を見せたという報告もある。
ある女性は、亡き夫が夢の中に現れ、自分を待っていると告げてきたと語ったという。
研究チームは、こうしたビジョンには重要な「関係性の意味」が含まれていると指摘する。死という、本人にも家族にも口にしにくいテーマを、患者が象徴的なイメージを通して周囲に伝える手段になっているという見方だ。
なぜ「扉」「階段」「敷居」ばかりが現れるのか
再会と並んで頻出したのが、何かを「越えていく」ことを思わせるイメージ群である。
裸足のまま、光に満ちた開いた扉に向かって歩いていく。階段を上る。敷居をまたぐ。いずれも、ある場所から別の場所への移行を強烈に連想させる光景ばかりだ。中には、浜辺を白い馬が駆けていくという、映画のワンシーンのように幻想的な報告もあった。
終末期の患者が亡き人の夢を見ること自体は、以前から報告されてきた。死が近づくにつれてその頻度が増していくことも示されており、今回の調査はそれを裏付ける結果となった。
ホスピス・バッファローの主任研究者でチーフ・メディカル・オフィサーを務めるクリストファー・カー氏は、夢に現れるのは無作為に選ばれた人物ではなく、常にその患者を愛し、守ってきた人たちばかりだと述べている。
さらにカー氏は、荷造りをする夢やバスに乗る夢など、旅立ちの準備を思わせる内容も多いと指摘。退役軍人の患者の場合は、それぞれが背負ってきた戦場の傷や重荷が、終末期の夢の中で改めて扱われることが多いという。

10件に1件は「母の顔をした怪物」だった
多くの患者は、こうした体験のあとに安らぎや平穏を感じたと報告している。だが、すべてがそうだったわけではない。
およそ10件に1件は、苦痛を伴う内容だった。その中には、自分の母親の顔をした怪物に引きずり込まれる、という報告まで含まれていた。
研究チームは、これらの暗い体験を単なる悪夢として片付けてはいない。未解決の葛藤、トラウマ的な記憶、あるいは身体的な痛み。満たされないまま残された臨床的・感情的なニーズが表面化したサインである可能性を指摘している。
研究責任者のエリサ・ラビッティ氏は、ELDVsがこれほど頻繁に起きているにもかかわらず、それを受け止めるための明確な文化的・臨床的な枠組みがいまだ確立されていないと述べている。
薬剤の影響や、記憶をつかさどる脳領域の働きで説明しようとする立場もあるだろう。だが、なぜ現れるのが決まってその人を最も愛した人ばかりなのか、なぜ扉や階段という同じ象徴が繰り返し語られるのかについては、まだ誰も明快な答えを出していない。
死にゆく脳が最後に見せる走馬灯なのか、それとも本当に誰かが迎えに来ているのか。確かめる方法は、今のところ一つしかないようだ。
参考:Metro、ほか
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2024.10.02 20:00心霊人は死の間際、亡き人の夢を見る? 緩和ケア専門家239人の報告で判明。ただし10件に1件は苦痛を伴うものだった……のページです。夢、ホスピス、幻視、終末期医療などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで